タカツテムの徒然雑記

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Fate/stay night[Unlimited Blade Works] 2 感想

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バーサーカーの登場によって本格的に幕を切って落とされた聖杯戦争。それにしては最初に士郎が戦う相手がバーサーカーという化け物だなんて相手が悪いにも程があるけど

セイバーは士郎の援助は望めず、手助けする凛の攻撃だって梨のつぶて
イリヤバーサーカー、凛とアーチャー、それらの隙の見えない最良のコンビを前にすると士郎とセイバーがどれだけ歪で未熟なコンビであるかが見えてくるね
士郎は聖杯戦争に挑むにはあまりに力不足。凛から逃げろと忠告されるのも当然というもの
そこで逃げずにセイバー達を追うのは主人公然としているが、一方で蛮勇でしかない

それでも彼の素質を何か見出すとしたら、セイバーとバーサーカーの戦闘を見て「すごいな」と感嘆の声を上げた事だろうか。
二人の英霊の戦いを別次元と思ってしまえばそんな言葉は出て来ない。けど彼は素直に称賛した。それは無力であっても無関係でないと思わせられる
だからアーチャーの超威力攻撃を察しながらセイバーの手を引いて逃げるなんて離れ業が出来たのかもしれない


7話から描かれるのは士郎の過去だね
本作は凛視点でスタートしたから彼の人となりは断片的にしか描かれてこなかった。だから魔術は使えても普通の少年のように思えてきた
それが冬木大火災と衛宮切嗣に拾われた過去が描かれた事で彼の原初が見えたような気がするよ

巻き込まれた者は容赦なく死に絶える火災を生き抜いた為に失った心、切嗣という魔法使いと暮らす日々の中で掴んだ正義の心
壮絶で日常性を放棄したような人生が彼の原初なのか……。これは非常に厄介なタイプだと一目で判るよ…

そういった過去が描かれたからこそ、士郎が魔術師見習いで門外漢で聖杯戦争なんて何も知らなかったのに、セイバーと共に戦うと宣言するラストに納得できるね
強いからとか、勝ち抜く自信があるから等の理由ではなくやらねばならぬという正義の心でマスターとして名乗りを上げた士郎
彼と凛がこの聖杯戦争をどう生き抜いていくのか楽しみになる第2巻だったよ


話とは関係ないけど、セイバーの凛々しいけど可愛らしい表情がたくさん見れて満足だったりしますよ