ミステリ小説
虚構推理 忍法虚構推理 (講談社タイガ) 作者:城平京 講談社 Amazon 九郎の過去に纏わる幾つかのエピソードを収録した巻。といっても人魚やくだんを食べた頃ではなく、中学・高校時代『廃墟に出会う』と『まるで昔話のような』は既に漫画版で感想を書いている…
ホロー荘の殺人 (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,中村 能三 早川書房 Amazon 終戦の翌年に発表された作品である為か、戦争を経て激変せざるを得ない人間社会とそれによって歪さを醸す人間模様が描かれていたような印象を受けるそれでいて、本…
鳩のなかの猫 (クリスティー文庫) 作者:アガサ ・クリスティー,橋本 福夫 早川書房 Amazon 冒頭こそとある女学校の入学模様を描きつつも、それに続くは中東のある国で起こった革命に拠る余波。また、革命を逃れた宝石の行方を公安やら殺人鬼が追うというのは…
書斎の死体 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 早川書房 Amazon ミステリ小説なのだから、事件の導入は惹き込まれるものか?その作品で扱われるトリックは意外なものだったか?という点は評価に直結する部分なのだろうけど、それが…
死者のあやまち (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,田村 隆一 早川書房 Amazon オリヴァ夫人と言えば登場する度にポアロを煙に巻くような発言をしていつの間にか事件の渦中へと導いていく印象が有るのだけど、今回は何も起きていない状態から「…
第三の女 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 早川書房 Amazon ミステリの導入はその後に始まる又は既に始まっている事件をどのように捉えるかを決定付ける重要なポイントだと思っているのだけど、本作ほど実態を掴めない導入は珍し…
ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫) 作者:アガサ・クリスティー 早川書房 Amazon 話に派手さも深さも無いし、トリックも特異な点があるわけではないのだけど、それだけにクリスティらしさが詰まった作品と言えるのかな? 事件は愚かな少女が殺…
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 早川書房 Amazon 読み進める最中は何処かチグハグな違和感を覚える作品だったのだけど、後書きを読んで納得。どうやら短編集を一つの長編ミステリーに再構築した作品だったようで その為…
スリーピング・マーダー (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 早川書房 Amazon 眠れる獅子を起こすと厄介な事になる。それは誰もが胸に留めるべき教訓なのだけど、本作で起こしてしまうのは殺人誰も殺人と思わなかったワンシーンが一…
謎のクィン氏 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 早川書房 Amazon クリスティ作品の中でも異質さが群を抜いているハーリ・クィンを主題に据えた短編集この短編集の魅力は本来なら探偵役となるハーリ・クィンが推理もしなければ捜査…
ABC殺人事件 (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,堀内 静子 早川書房 Amazon あまりに華麗なトリックである為に、記憶を無くしてもう一度楽しみたいミステリーというのは世界中に幾らでも存在するだろうけど、その筆頭に名を連ねるかもしれないの…
ヘラクレスの冒険 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティ 早川書房 Amazon 短編集だけど、そこに「ヘラクレスの難業」というテーマが加わる事でそれぞれ別の事件がひと繋がりであるように感じられるねまた、あくまでも難業であり難事件に…
カリブ海の秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ クリスティー 早川書房 Amazon 療養のためセント・メアリ・ミード村を離れて遥か彼方の西インド諸島を訪れたミス・マープル。そこは最早リゾートだからセント・メアリ・ミードのような人間関係…
パディントン発4時50分 ミス・マープル (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,松下 祥子 早川書房 Amazon 犯人が他者に知られてはいけない事は数あれど、殺人の瞬間なんて目撃された日にはその時点でミステリはお終いとなる筈けど、犯人は目撃され…
満潮に乗って (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,恩地 三保子 早川書房 Amazon 推理小説においてワクワク出来る舞台装置は色々有るけれど、その一つとして挙げられるのは本作が扱う「大富豪の遺産を巡る殺人」だろうね大富豪ゴードン・クロード…
象は忘れない (クリスティー文庫) 作者:アガサ ・クリスティー,中村 能三 早川書房 Amazon とある婦人の奇妙な質問から幕を開く本作、作中で描かれる殺人はその質問対象となる1件だけというのに退屈させないのは著者の卓越した構成能力故だろうね 昔に仲睦ま…