タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

ダークギャザリング (17) 感想

太歳星君って本当に倒せたの…?ここから真打ち登場したりしないの…?と不安だっただけに本体の横槍によって分霊が復活する展開は逆に少し安心してしまったよ
勿論、それは覚醒した新皇への信頼が有ってこそなんだけど

これにて本当の意味で太歳星君は退治できたようで。まあ、本体ではなく分霊だけど、捕獲まで出来ているから充分な戦果だよなぁ
てか、太歳星君もゲットしちゃうんだ夜宵って…


大ボスを倒せたなら待っているのは後始末。そういや、愛依の問題って一族レベルの問題なのに、これまで神代の家って登場してなかったんだっけ
かなりヤバそうな家では有ったけど、それ以上にヤバい神様を退治した後の夜宵の相手には成り得ないわけで
そうして対面した一族の真実はかなり後ろめたいものや雁字搦めになった要素の多いもの。だというのに、太歳星君と少し話しただけで解決できるなんて神様の気まぐれを感じてしまうよ
まあ、神代家の呪いを効いた直後に躊躇なく契約を決断できる夜宵も凄いんだけどさ

ここでエンディングを迎えたって可怪しくない程の達成感。だというのに早くもなり代わり達が蠢き始めるのは恐ろしいね。特に太歳星君の本体や神代当主を取り込むなんてとんでもない話。おまけに副長をしているとの人物も少し調べただけで並の存在ではないと伝わってくるし

ただ、それは裏での出来事。本作にしては珍しく、純粋に観光を楽しむ螢多朗達は楽しそうだったね。特に長らく囚われ状態だった為にこうした賑やかさに参加できなかった愛依が楽しそうであるのは安堵してしまうよ

けれど、少し休めば新たな戦いは始まるもの。既になり代わりによる接触が少し始まっているとは不吉な話
そう考えると夜宵の戦力が削られているのは不安要素か…?と思っていたけど、まだ卒業生のストックがあったんかい。ただ、内2体はあまり使いたくないようだけど
それって現時点でも制御が難しい大僧正よりもヤバいんだろうか……


前々から不思議だった、夜宵はどのようにしてオカルト知識を身に付けたのかという点。てっきり夜宵のIQが高いからごく自然と理解したのかな?とぼんやり思っていたのだけど、どうやらそれなりの背景が有るようで
どのようにしてプロトタイプが誕生したかも含めて、おどろおどろしい話となりそうだ

IDOL×IDOL STORY! (6) 感想

既に何度かに亘って重暗い感情が見え隠れしていた優梨、遂に紬に対して感情が決壊してしまいましたか…
自分のやりたい事が出来ていた時代を思い出させる東京の光景、紬が順調に選ばれているのに対し自分は…なんて感情も含まれていそうだけど、思わず…といった感じか
それにしたって「私の人生返してよ…」は面倒見られていた側からすれば重すぎて受け止めようがないよなぁ……

これは優梨の罪だし、優梨が打ち破らなければならない困難。自分の醜さを受け止めて美海との対戦に向かう優梨は格好良かったよ
それ以上に待ち構える美海も格好良かったんだけどさ


始まる星取り戦
先鋒戦が戦い全体の流れを決定付けるように、律と偏の戦いはこの一対一の歌唱バトルがどのようなものか定義するものとなったね
律と偏は養成所でも争う間柄。けれど現時点では偏が上回っている。単純に当て嵌めてしまえば律がまた負ける。序盤の勢いは完全に従前の流れを引き継いだもの
それだけに最高のバトル、律への憧れを籠めてアドリブを差し込んだ偏の熱意は良かったな。そんな予定調和崩しが律を覚醒させたわけだし
先鋒戦はどちらかの負けを願うものではなく、互いに勝ちを目指して高め合うステージと知れるものだったよ

何とも掴みどころを見出だせなかった紫織だけど、どうやら感覚を重視するタイプだったようで
アイドルを志してまだ数ヶ月なのに、ここまで来れたのは彼女に内包された才能と努力を感じさせるね
彼女はいずれ高みに届くアイドルになると予感させる。だからこそ、別の遣り方で紫織を上回ってみせた麗の戦法が輝くね
人からどう見られるか、自分が立つステージはどのようなものか。それを正しく分析できる彼女が勝つ為に仕組んだ勝利への策
この次鋒戦は一対一であったとしても、彼女らは一人で戦うわけではないと知らせるものとなるね

中堅戦は歌唱曲「化け物のうた」に相応しく化け物が跋扈するステージとなったような
劣等感も後悔も成長への渇望も籠めた小雪のオーラは凄まじいね。当初からこうした片鱗は覗かせていたけど、ここに来て彼女の適性が見えた気がするよ
対して光は小雪以上の化け物を内に飼っていたようで。クソッタレな大人に囲まれてなお、自身の死を懸けてアイドルを志してなお、極僅かな希望を求められるなんて並大抵の存在ではない
中堅戦はステージに立つ彼女らの底力を示すものとなったのかな

意外な荒れ方と収束を見せたのが副将戦か
姉妹戦と言えば聞こえは良いが、直前の諍いがバレてしまった事に拠る天秤の傾きが目立つバトルに
これ、見方を変えればいつも皆は紬の面倒を見て優梨は損をしていた人生と被るように思える
その構図が変わらないならば、紬の有利も変わらない。けれど、既に変わり始めていたのが紬自身か。いつの間にか大きくなっていた紬は優梨の先で引っ張ってくれる人間になっていた。そんな大切な存在に引っ張られて気持ち良く歌い上げた優梨の表情は綺麗なものだったよ
改めて、この副将戦は相手を蹴落とすものではないと示してくれる

これまでの歌唱バトルを思い返せば、共にアイドルを再び目指そうと誓いあった美海と依吹の戦いがどうなるかは見えてくる部分が有るわけで
それだけに次巻の大将戦がどれだけ素晴らしいものとなるのかを激しく期待してしまいますよ!

『ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い』 感想

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ロード・オブ・ザ・リング』シリーズって遥か昔に本編映画3部作を見て以来だから割と記憶が曖昧だったりするのだけど、本作は映画との直接的な繋がりが薄い為かそれほど違和感なく鑑賞できたかな。それでも、ローハンを舞台とした事による懐かしさは少し有ったのだけど

本作は圧倒的なアニメーション美に拠って紡がれる叙事詩として存分に楽しめる作品と思えましたよ
内容としては、偶発的な死を契機に復讐に身を費やした男、王族としての務めに心を捧げた女の生き様が対比的に描かれていたような
ヘラとウルフ、子供の頃の無邪気さに身を浸したままで居られれば、それこそ恋仲になっても可怪しくない間柄だけれど、自らの立場に対する見解が全く異なる点は印象的。結局はその点が後々に大きく響いていたような
ウルフは子供の頃からの繋がりや父親の影響でヘラと結婚できるつもりでいた。対してヘラは王族としての自覚や自立心から結婚するつもりが無かった。この時点ではウルフは個人を重視し、ヘラは集団を重視している。この構図は最終局面に至るにより顕著となってしまうね

そもそもウルフは早い時点から過ちが始まっていた
父親が殺されるという個人の恨みを部族の恨みに拡張し、自分を慕う者達にもその復讐を担わせた。他の者達がヘルム王との戦いを辞めたくなる時も有ったが、彼自身は止まれないから時には空虚な言葉で兵達を戦闘へと駆り立てる。終盤では諌めてくれた臣下でさえも手に掛けてしまう
衝動は個人から始まっているのに彼は付いてくる民を巻き込み続ける非道で弱い人間となってしまった

対してヘラは奔放ながらに集団そのものは尊重している
ウルフを心配していたとしても個人行動はしないし、街がウルフの襲撃を受けた際も王族として行動している。その後も力不足な面はありつつも、民を守る為に行動し続ける。その責任感が砦を守る為に彼女を最も危険なミッションへと駆り立て、多くを救う道へと繋がっている
果ては集団に属していた彼女はたった一人で軍隊を前に躍り戦う勇ましさを見せつけた

本作において、ヘラは話が進む毎に魅力的な人物となっていくのに対し、ウルフは魅力的でない部分が目立つようになっていく
それは自身の前に有る難題にどう向き合っているかという点に左右されていたような
ウルフはヘルム王への復讐へとひた走りながらも、ヘラの眼光から逃げたり、門前に仁王立ちするヘルム王と戦えなかったりと逃げる様子が度々見られる。そもそも人々を率いる者としての責務よりも復讐を優先している時点で彼は人の上に立つ人物ですら無いと言える
対称的にヘラは未熟ながらも難題と戦い続けていたね。街が襲撃された際も戦いに連れて行って貰えなかった事を引き摺りイジケルのではなく、残った事で助けられる命の為に行動している。ヘルム王が目覚めぬ中や彼が亡くなった後等は王族として必死に皆を守ろうとしている
そうした逆境がヘラを強く魅力的な女性とし、対称的に逃げ続けたウルフが情けない男と化すのは当然の話だったのかもしれない


本作はヘラの成長、ウルフの復讐を中心に描いているものだから必然的にヘラが魅力的な人物と映る
そう捉えられるのは物語が彼女の成長譚として機能しているだけに留まらず、モーションキャプチャーを使用した特殊な描画方法によって彼女らの動きにリアリティが存在するからだろうね
細かい仕草や身振りの仕方等からは彼女の存在感を存分に感じられたよ

一方でアニメーションとして描画されたからこそ、気に掛かる部分があったのも確か
ロード・オブ・ザ・リング』の映画といえば、あまりに壮大で美しい土地を旅する様子や刺激的で心躍る視覚効果が多用された点等が高評価の理由の一つであった。本作においても背景美術等はかなり素晴らしいし、前述のモーションキャプチャーによりアニメーションとしては非常に高いレベルに在ると見て取れる
ただ、あの実写映画と並び立てる程かといえば簡単には頷けないわけで…
また、実写映画では様々な種族が物語に絡んだけど、本作ではほぼ人と馬ばかりで他種族の登場シーンはかなり限られている
つまりはアニメーションとしてはかなり高評価を与えられるのだけど、『ロード・オブ・ザ・リング』の作品としては少し物足りなさを覚えてしまったような
この点は本作への評価を中途半端なものとしてしまった気がするよ

石神戦記 (四) 感想

ああ…ヤチホは高殿に拐われずに済んだのか。それは不幸中の幸いというべきか
ただ、彼女は戦力にならずイサザもミナトも行方不明。江波側としてはかなりの損害。これからどう転ぶとしても危険な橋を渡る事は避けられない

そう思っていただけに裏切り者が予想外過ぎると云うか、その人物が裏切っていたら駄目だろうと言いたくなる人選過ぎて尚更に絶望的……
ナギとしてはミオを守る一点においては何の裏切りもしていない。その守り方がミオの意志を無視しているだけで
ただ、不憫であったのは彼女の意志とて無視されていた点だろうか
裏切り、騙す。弱肉強食の世界だから罷り通ってしまう非情な論理。ならば、コマセが殺されたのも、ナギの正体が驚きのものであったのも許される論理なのかもしれない


所在不明で無力な状態のサクも遂に動き出す時が来ましたか
彼一人が戦場に戻った処でどうなるのか、という点は気に掛かるもサクが生きていると知れるだけで瑞穂から裏切った者達を動揺させるくらいは出来るのかな?
何はともあれ、夢のような暮らしを捨てて危険な世界へ自ら戻っていく彼の姿からは凛々しさを感じられましたよ

と、サクは暫く一人で戦わなければならないのかなと思っていただけに、クラの里の者達の正体が意外過ぎて驚きですよ!
本作において、石の民だけが圧倒的に抜きん出た実力を持ち、一種のバランスブレイカーとして君臨していただけに「角無し」の存在は石の民が一人出れば一変してしまう戦場を更に変えるものとなるかもしれないね

ただ、だとしても石の民であり味方であるヤチホの力が必要である点は変わらない。まずはイサザとヤチホが再会し、そこに戦い方を覚えたサクが合流するのがベストとなるのだろうか?

B.A.D. 9 繭墨は人間の慟哭をただ眺める 感想

ヒルガオの死を嘆き悲しみ暴走する雄介を通して、改めて己の不出来も愚かさも悟った小田桐。けれど、日傘達を死なせた時のように立ち止まらずに済んだのは、愚かであろうとも行動する重要性を知っているからか
ただ、この小田桐は満身創痍でありながら新たな危険に自ら飛び込むそれはそれで危ういタイプと化しているんだけど


どれだけ言葉を尽くしても、復讐を果たしてしまった雄介も、復讐に奔ろうとする久々津も最早止められない。そもそも腹に鬼を宿している以外の特別性を持たない小田桐では彼らを止める術がない
それでも小田桐が彼らを止めようとするならば、それこそ言葉を尽くすしか無い。そうした悪足掻きを辞めなかったからこそ、小田桐は久々津が目を逸らしていた感情を見つけ出し、雄介と真に向き合う事が出来たと言える

小田桐の行動は何もかもが破れかぶれに見える。あざかであれば小田桐のそんな行動を冷笑しつつも見逃してくれる事が多かった
けれど、決してそうはならないのが白雪だね。彼女以上に小田桐を想う存在は居ない。小田桐を一人で危険な目に遭わせようとはしないし、彼を助けたいと考えている
そのような相手だからこそ、小田桐も彼女を危険な目に遭わせたくないと思う
その関係は誰かを大切に想う事で生じる衝動の強さを象徴するものだね。その強さはこの巻で生じた諸々をも象徴している

一方で衝動の強さなんて実の処はそう簡単に実行できるものでもないと描いているね
それを示したのが雄介か。彼を追い詰めたのはヒルガオの死であるように思われた。けれど、実際は大切な人が死ぬまで動けなかった愚かな自分から目を必死に逸らす為に復讐に奔っていただけ
そうして嘆き悲しむ雄介に対し、小田桐が言い放ったのは良い意味で彼を許し、今更復讐しても意味が無いと改めて突きつけるものだね
トドメとして、詭弁であったとしても朝子と秋が雄介に生きてほしいと願っているならば最早雄介に死ぬ事は許されなくなる。それを超える衝動を彼は持ち合わせていない


異様さを増したのは紅い女が登場した事によって
あのシーンは本作随一の醜悪さを持っていたよ……

舞姫の足を戻した見返りとして誰かの足を差し出せ
唯でさえ返答のしようがないその問いは互いの本音が露わになってしまう事で破綻の色合いを濃くするね
誰だって他人の為に自分の足を失って良いとは思わない。おまけに憎しみ合う関係なら尚更に本音はどす黒いものになる
ここで面白くも有りながら醜くも有るのが、口先では自らの足を差し出すと言う点だろうね。建前と本音、あまりに乖離した両者の言葉は人間の嫌な部分をコレでもかと表出させ人間嫌いとさせかねないもの
雄介や久々津のように欺瞞へと陥れば他者を憎み見下すだけに終わってしまう。何故なら上手くやれば自分の望みは叶うから
だからこそ小田桐は自身の欺瞞も愚かさも理解した上で、それを理由として自身を差し出すなんて愚かが過ぎるね。けれど自分を愚かであると認めない限り進めない道でも有ったのではないかと思えてしまう

だとしたら、本音が見えなくなった後で雄介が口にした安堵はもしかしたら建前かもしれないけれど、それでも尊いものだと思えたよ
人は簡単に自分の為に復讐へと身を浸す事が出来る。でも、同時に他者の無事を喜ぶ心だって持ち合わせている
建前かもしれなくても、激痛と喪失の中で小田桐より自分で良かったと口に出来た雄介の言葉ほど人間性を表したものはないように思えたよ

そうして雄介が他者の無事を喜ぶ言葉を吐けたなら、次の段階へと進める
期せずして雄介と舞姫は同じような足になった。一度は潰れて、戻る筈が無かった足が戻ってきた。また、舞姫は恨みの連鎖を自分で終わらせる矜持も見せた
その上で雄介にヒルガオの願いが届けられたなら、最早雄介には復讐に身を浸す理由なんて無い、許されない
きっと彼は多くの想いを抱えた上で生きていけるのだろうね

ただ、雄介はそれで納得と整理が出来たとしても、帳尻合わせの外に居た久々津が復讐を辞める理由は無い
特に久々津が小田桐を通して状況の理不尽さを説いたシーンは強烈。帳尻が合ったから、自分が失ったものを相手も失ったから許せだなんて都合が良過ぎる。久々津が提示した天秤は確かに真実の姿だろう
だからこそ、小田桐が反証として提示したもう一つの真実こそ何よりも大切であると思える。人は誰かを容易に傷つけるのに、傷ついた誰かを心配する心も持ち合わせている。
誰もが復讐に奔ろうとした状況を、一瞬にして互いを心配し合う状況へと変えた小田桐の行動は凄いものだと思えたよ……


小田桐は彼が信じる人間性を証明した。それは多くの犠牲と愚かさの上に成り立つものだろうけど、それは小田桐の信念と呼んで差し支えない程のものとなった
だから紅い女の誘いを打ち破る礎ともなって

小田桐は彼が過ごす日常へと帰ってきた、左手と共に
何か異常な事が起こっているのにその痕跡が消失した光景はこれから始まる更なる異常の始まりであるように思えたよ…

薬屋のひとりごと 第2期 第25話感想

第25話猫猫と毛毛

続編初回は大人しいノリ。ただ、後宮における日常というより、後宮の運営に絡む話が多かったような
冒頭から壬氏は各妃に挨拶し均衡を図ろうとしている。それは彼が後宮の管理者として果たすべき役割
なのにただの毒見役である筈の猫猫も後宮の為に香油やアルコールを用意し、性教育まで考えている。知らずして彼女も管理者の如く働いている
それだけに今回を大人しい話と思えたのは管理上、頭の痛い問題が発生しなかったからだろね

前半部では識字率向上を企図した大衆小説の流布だなんて面倒な事をしているね
けれど、文字を読めれば生き方の選択肢が増えるのは事実。思えば、猫猫が無垢な乙女に性教育を行おうとしたのも、玉葉妃が鈴麗に将来を考えて猫猫の知識を授けたがるのも似たような話
そもそも猫猫が本作で縦横無尽の活躍が出来るのも彼女が持つ薬学関係の知識に拠るもの
知識は人を助けてくれる

後半部では拾い猫の話から猫猫と壬氏の関係へと話が発展…
猫猫は立場上の問題で猫の世話を見る羽目に。あれだけ世話しても彼女は猫に夢中となっていないようだけど、この猫猫と毛毛の関係が壬氏と猫猫の関係に置き換えられるのは面白いね。立場上、利用するだけだった筈の相手にいつの間にか壬氏は夢中になっている
だとすれば、毛毛にしたお腹の匂いを嗅ぐ行為は本当は猫猫相手にしたかったの……?
ともあれ、些細な事象を推理してひとりごとのように真相へと至る本作。今回は解決されなかった「子猫は何処から来たのか?」という些細な謎は日常的でありながら、本作としては油断ならない真相に繋がっていくのでは?と予感させる初回でしたよ

想星のアクエリオン Myth of Emotions 第1話感想

第1話彼女の語る

事前段階ではキャラデザをどう受け止めて良いか判らなかったのだけど、いざ始まってみればキャラデザより衝撃的な葬式からのスタートに加え、葬送されたサヨが平然と会話等に加わる光景に衝撃
舞台は現実の日本に存在する江の島なのに巨大ロボ・アクエリオンが登場する事を始めとして何もかもが非現実的。現実と非現実が曖昧な本シリーズは知っての通り、1万2千年前の因縁が地続きとなった作品でも有る
アクエリオンらしくないけれど、やっぱりアクエリオンらしさに溢れた初回だと思えましたよ

キャラデザはカートゥーン調だけど、反して会話内容や各キャラの内面は非常に繊細且つ現代的に描かれているね
特に舞台となる学校がこれまでのシリーズより人口密度の高さを感じさせる為か、不器用ながらも心を通わせようとするサッコ達とそれ以外の差を強く見出だせてしまう
そう考えると学校という集団に迎合できず、疎外感を覚えるサッコ達だけがまず特別な存在であるエレメントに選ばれる展開は却って彼らを浮いた存在と強調するものと思えるね

アクエリオンシリーズといえば、ベクターマシンによる自由な合体が見所の一つとなるわけだけど、初回で合体シーンは描かれず
ただ、それを補って余りある要素は出撃シーンかな。見覚えのある光景が変形・展開してベクターマシンが飛翔するシーンは現実を基にしているのに非現実的なだけに興奮させられたよ
いわば集団と合体出来ないサッコ達がアクエリオンでの合体を通してどのように自己実現を果たすのか、ひとまず継続視聴していきたいと思える作りでは有りましたよ