タカツテムの徒然雑記

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『時をかける少女(2006)』 感想

(C)「時をかける少女」製作委員会2006


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鑑賞したのは4DX版ではないので画像は適切ではないのですがさておき、結構昔に一度見た覚えがあるのだけど、ストーリーの大半を忘れていた為に再鑑賞
見て真っ先に感じた事は「本作はこれまでに様々な『時をかける少女』作品が存在した為に成立した作品なのだろう」という点だったかな。それは決して悪い意味ではなく
そもそも本作で描かれる世界観が原作の20年後というのだから、その意味でも他作品の存在を前提にしていると言える。だからか本作が描くのはタイムリープ能力の可能性を試すものではないんだよね。あくまでも普通の高校生が能力を得てしまったら?その能力がある為に青春模様に影響が生じてしまったら?という非常にミニマムな世界の中でお話が構成されていると感じられる

そう思えたのも作中で芳山和子が真琴のタイムリープ能力の使い方を聞いて、悪事に使わなくてよかった、みたいに受け取るシーンがあるからかな。私は他の『時をかける少女』作品を知らないので何とも言えないけど、考えてみればタイムリープ能力があれば様々な悪事に使えるだろう事は容易に想像がつく。けど、真琴はそういった悪事は考えないんだよね。彼女の使い方はあくまでも美味しい物を食べたいとかカラオケでいつまでも歌いたいとか野球を巧くやって驚かせたいとか、そういう身近な自己満足に収められている
作中でも言及があるけど、ちょっと真琴っておバカさんなんだよね。難しい事に能力を使えないし、先読みに秀でている訳でもないからタイムリープによってどのような影響が生じるかもあまり想像できていない。その意味ではタイムリープ能力を有しても危険性のない人物

かといって、真琴がタイムリープをしても何の影響もないという意味に成らないのは和子が言及する通り
真琴が高瀬を身代わりにし自分の身に起きる災難を回避する事で高瀬が虐められたり彼が暴力行為に走ったりする。真琴が千昭の告白を無かった事にした為に彼は友梨と交際を始める。何よりも大きい影響としては真琴が何度もタイムリープを繰り返す事で功介が壊れた自転車に乗ってしまい、事故を回避する為に千昭がなけなしのタイムリープ能力を使う羽目に陥る点か
全てにおいて真琴が悪かった等と言うつもりはないけれど、真琴が動かした運命が回り回って別の人物へと作用する典型例と言える。和子は真琴が千昭の告白を回避するタイムリープの使い方を「無かった事にしたいんだ」等と言っていたが、天ぷらの油が必ず跳ねるように、千昭の想いは消えないし壊れた自転車も消えはしない。時間を巻き戻してもそれらは何処かのタイミングで必ず発生する
何故なら真琴のタイムリープは事象の発生タイミングをずらしているだけであって、事象そのものを消している訳では無いから

この時になって初めて真琴は自分のため以外の理由でタイムリープを使おうとするわけだ。それまでは詰まらない目的でタイムリープを使用していた彼女が、千昭を未来に返すなんて彼女にとって得の無い目的の為に
これこそが青春模様だと感じられたよ。自分が良ければそれで良い、悪いものは誤魔化して目を逸らして、な勢いで過ごしていた真琴が好きな人の為に、おまけにタイムリープを使えば千昭は未来に帰ってしまうと判っていて。これこそ愛ですよ……


本作ってモチーフの使い方が上手いなと思ってしまったり
判り易い点だと運命の分岐点とも言える踏切のシーンかな。からくり時計、ぶつかった事に文句を言うおばさん、空を進む飛行機。特におばさんなんて巧く使われている。彼女が登場すれば時間は繰り返されていると否が応でも感じられるし、また真琴の不注意でぶつかった事への文句で鑑賞者まで申し訳なさというストレスを抱える、それが踏切への緊迫感を増して感じられる
またタイムリープを扱った作品なだけに時計を効果的に使用しているし、タイムリープによって時間の進む先が変わる様子を道路標識や信号機等で判り易く示してくれているね
あと、タイムリープの効果を深く考えさせるシーンでは学校空間の日常風景と共にゴルトベルク変奏曲によって彩っているのも良いね。真琴がタイムリープを繰り返す事であのような何の変哲もない風景も少しずつ変わってしまったのではないかと考えさせてくる

本作は真琴が体験するタイムリープという現象を大袈裟なものとすること無く、それでも彷徨える青春において真琴の人生を変えてくれるものとして作用しているのがそれこそ青春だなぁなんて感じさせてくれる、そんな作品だと思えましたよ

はねバド!(4) 感想

綾乃と薫子の対決は結局綾乃が終始圧倒する形に。ただ、ヴィゴ的には勝利への欲求が余分な要素と感じるようで
てか、この人物は後から思えば色々とシッチャカメッチャカというか4巻は割とやらかしたエピソードになったというか…。県予選を3試合もした直後の高校生を半ば誘拐するように連れ出して説明とかも殆せず妙な練習試合に出すとか正気じゃない…

滅茶苦茶な展開の中ではっきりしてくるのは綾乃にとって未だに“バドミントンに勝つ”と“母親と再会する”がニアイコールで繋がっている点
前巻ではリストバンドを通して部員達との繋がりを感じられたけど、それによって母親への執着を捨てられる訳じゃない。すぐ近くに母親が居て自分を負かそうとする相手が居るなら、綾乃はコートから逃げる事など出来ない。どれだけ無法であろうと綾乃は母親に会いたい一心によって全てのロジックを置き去りにしてしまうと

そんな子供じみた心情では実力差なんて覆せない。でも、綾乃は本当に子供じみた行い、コート上で涙をぼろぼろ流すなんて行為によって“切り替え”を行うね。母親に会いたい感情は揺らがない。けど、揺らがないままにそれをバドミントンとしての強さに変えていく
一旦追い詰められてから猛追し、遂には逆転する集中力はまともじゃない。特に対戦相手の正体が15歳の無名の少女などではないと知れたなら尚の事

綾乃はとんでもない領域へと立ち入れる逸材と知れた。それだけに世界を目指すよりも部員達と全国大会を目指すと宣言した綾乃は当座の迷いを振り切れた、と見て良いのかな?
いや、本当にとんでもない無茶苦茶な展開だった……


番外編ではコニーがフレゼリシアに来校した頃の物語が
この話、コニーの意外な可愛さや家族を求める心が描かれて良かったというのは当然として、本編ではまだプレイ傾向があまり描かれていない唯華のキャラ性が深堀りされたのが大きいと思っていたり
超級の実力者コニーを前に臆さないどころか、初対面でセクハラかまして自分のペースへと引き込むとか普通じゃない……(笑)

まあ、唯華がそのような気のおけない態度で接してくれたからコニーは部の仲間達を家族のような身近な存在と思えるように成ったのだろうとも感じられたよ

真夜中ハートチューン 第6話感想

第6話寧々は見た/A PIECE OF CAKE(朝飯前さ)/今の言葉ずっと大切にするね

アポロの言葉がしのぶを通して伝えられた事で山吹の心は揺らいでいるけど、どうやら六花達も揺らいでいるようで。教師宅での打ち上げという話なのに気合が抜けているようには見えない服装で揃った彼女らは明確に山吹を狙っている。でも六花以外は山吹を狙っているとは他の部員達に知られたくない恥ずかしさがあるから、どうにも水面下での駆け引きに終止すると
ただ、現状では山吹の側に彼女らを恋愛対象として見る気が無いから、彼女らの駆け引きは空回り感が拭えない。いわば、山吹が行動を起こすのを皆して待っている状態と言えるのかな?それはまるで山吹が己の正体へと辿り着くのをアポロが待っている現状かのよう

視聴者的には六花達の恋愛感情だけでなく、アポロの正体も気になる所。そもそも山吹自身がアポロ探しであの高校に入った事を考えると、アポロへ迫るのが本作の方向性と言える
けど、山吹はその方針に背を向けたね。少しでも手を伸ばせばアポロに届く、眼を開けば彼女が見える。だというのに山吹は与えられた答えではなく己で掴む未来を答えとした。それは山吹自身が恋愛とは異なる意味で六花達とどう関わっていくかを決めていく方針
ただ、少女達がこれから何者に成れるか判らないように山吹の未来も判らない。これが正解だと引き抜いた答えが実は全体を崩してしまうように。それでも山吹がアポロの言葉を大切にしている限り取り敢えず放送部としては満足行く何かには辿り着けるのかな?とは思えたよ

はねバド!(3) 感想

綾乃に因縁ある相手としては既にコニーが存在するのだけど、インターハイまで行かないと彼女とは再戦できない。薫子はいわばコニーに辿り着くまでの県内における綾乃のライバルと言える存在か
……それにしては色々と癖が強すぎる気がするけれど。海に向かって「私の事が大好きですわー!!!」と叫ぶ女の子は相当に変わっている

コニーが「ママ」を通して綾乃との因縁を感じていたのに対して、薫子はストレートに綾乃への勝負に係る因縁を感じているようで。それはかつて綾乃にコテンパンにされた経験から来るとてもスポーツ精神に満ちたものなのだけど、綾乃側が感じる薫子への因縁は薫子とは二重の意味で全く異なるものだね
まず彼女に風邪を移された災難に始まり、彼女に敗北した事で母が自分の前から居なくなったと思っている。それは薫子への因縁を感じているようで、自分自身への因縁かな。「薫子に負かされた」ではなく、「薫子に負けるような自分だった」という点が薫子との間に消えない因縁として横たわっている

だから綾乃にとって再び薫子に負けた事態はトラウマを刺激され得る訳だ
そしてようやく明かされる綾乃の来歴。ここまで隠されていた母親の顔もようやくお披露目だね
幼い頃からバドミントンとバドミントンを教えてくれる母を愛していた。他方で天から授かった才は彼女を孤独にするものに。学校の部活から遠ざけられ、ライバルを遠ざけ、そして母をも遠ざけてしまった
だからこそ薫子から受けた敗北を鍵と感じてしまって、バドミントン以外でも繋がれていた母を求める為にバドミントンに打ち込むわけか…
これ、何よりも有千夏のメッセージがあんまりにも不器用というか一方的なのがどうしようもない…。あの有千夏の決断を呑み下せる中学生なんて居ないって……

今も綾乃は有千夏の不在を消化できていない。けれど、彼女に寄り添ってくれるバドミントン仲間が出来た点は良かったと言えるのかな


始まるインターハイ予選は部員それぞれの実力が表れる場に。既に実力者であるなぎさや綾乃は問題ないけど、理子は実力不足だからこそ挑戦が清々しく描かれるね
緊張から思うようなプレーが出来なかった彼女が『ズル賢さ』を覚えた事で相手の戦術に乗らず、それでいて相手の弱点を突くプレイングへと変えられたのは本番ならではの光景といった所

ただ、読者的な本番は綾乃と薫子の対決。綾乃は11話の時点で薫子に練習形式とはいえ敗北している。そこから修練らしい描写もなかったなら、実力差は変わらない筈…と思いきや、そうした常識を跳ね飛ばしてくるのが綾乃という選手の本質か
薫子が綾乃のプレーを想定に入れた上で組み立てた試合の流れを戦術でも何でも無く凌駕していく。それは選手としての格が全く異なると叩きつけてくるかのよう。薫子が綾乃に勝つ事をずっと意識して来たというのに、綾乃のプレーは薫子の想いを微塵も感じていないかの如く寄せ付けない

まるで綾乃が主人公ではなく敵役になったかのような雰囲気なだけに薫子を応援しそうに成ってしまう展開だ

はねバド!(2) 感想

合宿はそれぞれに糧を得るものとなりつつ、表面的にはバドミントンを愛する若者達が仲を深めたイベントと成ったのは学生年代感があって良いね
ただ、読者的にはコニーとの遭遇・試合を経てバドミントンをやる気に成り、インターハイを目指す心積もりとなった綾乃のこれまでとこれからが気になるわけで
綾乃の家を訪れて彼女の来歴を探る事は1巻で判らなかった羽咲綾乃の内面を知る事に……ならなかったね!驚くくらいに綾乃の追加情報無かったよ!せいぜい綾乃がぽやーとしている理由とか、綾乃の母親が凄いとか、神藤綾乃=羽咲綾乃であると知れたくらいだよ!?
特に何かを隠しているというわけでもなく、素性が判らない主人公って凄いな……


さておき、部員が集まった事で意識し始めるのはインターハイにおける団体戦のオーダー
なぎさを主力として扱い続けるなら彼女を主軸として団体戦を回すのは当然の判断。だというのに立花が指名したのはなぎさと綾乃が公平に主軸と成るオーダー
これ、立花としては松川の助言を受けて全員が活きるように組み合わせた形だというのに、なぎさのプライドを傷付ける形となってしまうのは如何ともし難い。まあ、立花が事前になぎさへのフォローをしていなかったのだからその点には未熟さを見る事が出来るかも知れないけど

ただし、立花は部のコーチである。彼の言には従わなければならない。その意味では言葉を荒らげてコートから逃げ去ったなぎさの方に落ち度があるとしか言い様がなく
だとしたらなぎさは再びコートへ戻る為に這い上がる必要があったわけだ。そしてその際の壁として立花が立ちはだかると…
ここでの立花はこれまでの頼りない姿とは一変した力強さを披露したね。誰よりも躍動感が有り誰よりも気迫に満ちていた。男女という差が有ったとしても、軸がブレている今のなぎさでは太刀打ち出来ない相手
けど、ジャンピングスマッシュを自分の持ち味と考えてきたなぎさにとって、実は立花が示した力強さこそなぎさが目指したい姿であり、そのような姿を魅せられる立花とはなぎさが進む先に居る在り方かもしれないと言えるのかな
その意味では迷いを抜け出せていなかったなぎさの壁として立花が立ち会ってくれたのは彼女にとって良い成長の機会となったんじゃなかろうか

と、イイ感じに思えたエピソードの後に続く話の脱力感が凄いなぁ……
なぎさは壁に立ち向かって成長した。対して危機感を覚えた綾乃は山籠りして修行とかなにそれ……
まあ、紆余曲折あってなぎさと綾乃は折衷点を見出だせた…という解釈で良いのかなぁ、これ(笑)

はねバド!(1) 感想

暇があったので、色々思い入れ有る本作を読み返してみたり
完結してから見返すと本当に序盤は作品の方向性が違うね。この頃は可愛らしい女の子がバドミントンをする、という要素が全面に出ていた気がする


バドミントンコーチの立花が向き合う事に成ったのは団体戦出場危機に陥るバドミントン部。部の実力者もなぎさだけと盛り上げる事も難しい
それだけに偶然出会えた才能の塊である綾乃をどうにかして部に加えたいのだろうけど、肝心の綾乃はバドミントンをする気はないと…
この辺は立花の空回りが目立つね。コメディ調で描いている為でもあるんだろうけど、なぎさの信頼を得られず綾乃も勧誘できずおまけに他の部員への指導も上手く行っている様子が無い。現状の彼に指導者としての適性を見る事は難しい

その代わり、バドミントンが嫌だという割にバドミントンの才能がある綾乃へ注目が集まる仕組みにもなっているね
そして2~4話は早速に綾乃とバドミントンを向き合わせる話に。……てか、入部を断った女学生を騙して合宿に連れ込むって凄い話だな……

コニーとの遭遇から綾乃が抱き始めるのは他者と繋がった上でのバドミントン。この時点では綾乃の背景がほぼ描かれていないだけに、彼女がその発言に反応した理由、コニーが「お姉ちゃん」と呼ぶ理由等は不明瞭なまま。おまけに入部を決めていない綾乃が練習試合をする理由すら曖昧
綾乃が試合を通して何を得られるかなんて本人にも判らないのは当然の話で。だからこそ、迷える綾乃に対して「私達は一人じゃないんだから」と言ってくれた理子の存在は綾乃にとって足場が固まるようなものとなったんじゃなかろうか?

本領を発揮し始める綾乃の恐ろしさは凄いものだったね!嫌らしいショットを挨拶代わりに絶対防御、変わらない表情…。そしてトドメにあのオーラですよ!後にこの傾向はより強くなっていくけど、主人公兼ヒロインみたいな立場の子が出して良いオーラじゃないよね……


この時点で綾乃の本質は見えない領域ばかり。けれど試合を通して歪なバドミントン観は垣間見える
綾乃とコニーの出会いがバドミントンへの向き合い方をどう変えていくのか、この再読に拠って改めて見たく成りましたよ

メダリスト score16感想

score16女王のジャンプ

前回ラストの宣言、そしていのりに対する威圧。それらの印象が強かっただけにトイレで一人芝居をする夕凪には一時不安を抱いてしまったけど、それが杞憂であると理解させられるくらいに夕凪の滑りは素晴らしいものだったね!
印象的な要素としては彼女の戦う相手か。これまでに滑った少女達は他競技者がどれだけ得点を積み重ねられるか、5つの椅子に残れるかを気にしていた。けど夕凪が見ていたものは全くの別。他の子が「今日は光が居ないから優勝できるかも」なんて思う中で光に勝つ事を意識していた。だから5つの椅子よりも光なら掴めるだろう金メダルを意識していたのだろうね

夕凪の滑りは本当に凄かったな。いわば血を流して咲く暴力的な華のイメージが湧いてきたよ……
前回描かれたりんなや愛花の滑りによってリスクを負う危険性は重々伝わってきた。それでも慎一郎の指示に逆らう形で光に勝つ!金メダルを取る!そうした想いを抱き、キッと高く飛んだ彼女の姿には唖然とさせられましたよ……
他方で滑る前に慎一郎が重視していたのは「自分の滑りをやり切ること」。それを思えば滑り終わった夕凪に対して「やんちゃだなぁ」なんて微笑んでしまったのは、あの無謀な滑りにこそ夕凪らしさを感じたからなのだろうね
夕凪はあの滑りで自分を表現してみせた訳だ

こうなると気になってくるのはいのりが何を目指すのか、そしてどのように自分を表現するのか?
目指す先は明白だね。前々からメダリストは志向しているし光の事もライバル視している。それらの点は夕凪の相似。けど、ジャンプの技量では及ばない
それならばといのりに必要な表現のヒントが描かれたけど、ソレ以上の覚悟と志向が描かれたね!コーチの司はいのりに託すしか出来ない。でも紐や拳を通して流し込む事が出来る
「今から貴方が取りに行くのは金メダルだ」、何よりも力強いエネルギーはいのりへと渡された。この幾つもの華が咲いたリンクでいのりが咲かせるだろう金色の輝きがどのように表現されるか楽しみで仕方ないですよ!