タカツテムの徒然雑記

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メガロザリア 2 感想

王妃の座に納まる為に次々と花嫁候補を殺し回るロザリアはどう考えても邪悪な存在
でも手段をこれと決めたら一直線な様は一周回って純粋な少女のように思えてくるかもしれない。いや、それでも邪悪である事は変わりないんだけど


次の標的と定めたアシュリーを殺す流れはまるで狩りをしているかのよう
一度目は正面から。それが叶わぬと見ればアシュリーを殺すのに必要な技量を身に着けてから
それは学習しているようでいて、そもそも人を殺して得る立ち場に価値はあるのかという自省をしないからどこか幼稚さも見える
だからか、アシュリーとシーラの境遇は彼女らが示した強さよりもロザリアに狙われてしまった哀れさが際立つ印象を受ける

それは短い出番となったペトラも同じだね
出会った際は病身の彼女を見て殺しを止めたのに、自分の身が危機に陥ったとなるや何の躊躇も感傷もなく殺してしまった
こうまでロザリアが邪悪な存在且つ幼稚であり、パメラを前に勝利を確信した瞬間に自分のトリックを洗いざらい話してしまう姿勢を見ると、彼女がどのように追い詰められていくのかという点に興味が移っていくね

その点、パメラは真っ当に探偵役をしている。ロザリアとメルディが行う反則じみた連続殺人に対してヒントを一つ一つ積み重ねて迫っていく
だから、パメラの追走に気付いたロザリアがヒントを途切れさせた後にパメラが何をするかが気になってしまう

というか、そのタイミングでパメラが師匠筋を頼るのが意外なら、シモンがロザリアを知っている点も意外でしたよ!
本作は王妃を目指しながら連続殺人を行うロザリアとそれを追うパメラという構図の作品かと思いきや、シモンの登場により意外な深みが生まれたね


意外な深みと言えば、王子アルバートもその類か
これまではロザリアの賞品として扱われ、どのような人物なのかすら曖昧にされてきた。正体を明かされてみれば既に好いている女性が居るなんてね

アルバートとエミリの出会いはそれこそ恋愛小説かのよう。ちょっとした偶然と秘密の共有により突然始まり一気に深まった二人の仲。それは運命と表現する以外の方法がないからこそ、2人がお似合いであると判る
ただ、この2人がお似合いならそこにロザリアの入る余地がないという話になってしまうのだけど…

嫉妬と絶望のあまりアルバートとエミリに狂気を向けたロザリアはもはや邪悪そのもの。また、エミリ達の恋愛物語をきちんと描いたものだから、2人に感情移入しロザリアに反感を抱いてしまう構造にもなっている
だからこそ最期の瞬間にエミリが見せた勇気と計略に感銘を受けてしまうね。邪悪であっても幼稚さを隠せないロザリアを嵌める最高の罠
ならば次巻で遂にロザリアは追い詰められる展開になるのだろうか…?