タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

~贄姫と獣の王 スピンオフ~ 白兎と獣の王子 3 感想

ラヴィに拠って語られるエドワズとの過去。二人がどのような関係だったか、どのようにして反王政組織が誕生したかは判ったけど、そもそものエドワズの人柄については余計に判らなくなったような
何故魔法を使えるかも不明だし、何故人間を嫌悪しているかも謎。魔族の国に紛れ込んだ全く正体の読めない人間、そんなエドワズが人間と魔族の融和を妨害しようとしている

あまりに歪なエドワズなのだけど、反王政を掲げ非法組織を率いる冷酷さに似合わぬ優しさを持っていた点もよく判らない
特に反発した仲間からラヴィを庇う一件は彼という人間性を曖昧にさせる。だからラヴィも彼に付かざるを得なくなる
けど、たった一人の生贄が二人の道を分けた点は何とも奇妙な話。ラヴィは元々人間を助けた魔族の父に反発して旅に出た。なのに今回は人間を害そうとした人間に反発してしまった
でもその反発がスバルに生きる道を与えたのだから運命というのは判らない


エドワズ探しの旅、その中で出逢ったのは驚きの人物だったね。まさかあのマアロが再登場するとは……

魔族と人間の融和を探る目的も加わりつつ有るリチャードの旅、なら当然のように本編で人間と関わった魔族にも登場の機会はあるわけで
だからってあの小さかったマアロが好青年になってリチャードの前に現れるなんてね。勿論、二人に共通の知り合いは居ないからそれ以上の進展はないんだけど、サリフィの息子であるリチャード、イリヤに助けられたマアロ、そんな二人がこうして人間に好印象を持った状態で知り合うなんて巡り逢いというのは面白いものだと思えるよ


これまでは風来坊であるラヴィとスバルがリチャードの素性にとやかく言う事はなかった。けど共に旅をするなら、そして何らかの魔力の兆候を見せたならいつまでも突っ込まずに居るなんて難しいわけで
リチャードは危機的な事態を前に力を発露させた。ならそれと同じ事態を作り出す事でラヴィはリチャードの正体を知れると思ったのだろうけど…
実際に出てきたのは想像していたものとは異なる正体だったね

自分の力で怪我したラヴィ、ラヴィに害されそうになったケモモ等を目前にしたリチャードが採った行動は破壊ではなく防衛。誰かを攻撃するのではなく、攻撃されそうな者を守る。その為に力は使わない
リチャードの信念が固まった瞬間かな

ただ、それにより狩り合いはリチャードの完敗となるわけで。師弟関係の終了が何を意味するのか、それをリチャードがどう受け取るのか次巻が気になるね