タカツテムの徒然雑記

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葬送のフリーレン (12) 感想

時間逆行によりフリーレンが辿り着いたのはかつてヒンメル達と旅をした時代
本作はヒンメル達と旅をしていた時代における体験に関し、フェルンやシュタルクと旅をする中で新たな気付きを得る作品と思っているだけに、未来の体験を持つフリーレンが過去の旅の中に身を置く光景はかなり特殊だと思ったり
あの頃は気付けなかったヒンメル達の心情、ヒンメルを失った後だからこそ気付けるようになっているフリーレンの成長・変化には感じ入るね

でも、フリーレンがかつては得られなかった気付きを再体験の中で得ているように、フリーレンの変化をヒンメル達も気付いている点には感動的なものを覚えてしまう
フリーレンにとってはたった10年の旅だったかもしれないけど、ヒンメル達は旅立ちから7年一緒に居た事でフリーレンを多く理解している
一緒に行動していたフリーレンが突然80年後から来たと言ってすぐに信じられる彼らは本当に良い仲間だよ

その中で読者にも気付かされるのはヒンメルが底抜けにイイ男である点だね
これまでもフリーレンの回想の中でイイ男っぷりを披露してきた彼だけど、それは格好つけたシーンが特にピックアップされてきたのかと勝手に思っていた
けれど、実際に旅の様子が描かれてみれば、常時ヒンメルはイイ男なのだから堪らない。数ページに一回程度の割合で格好良いシーンが有るんじゃないか、この男


改めての旅の中では成長したフリーレンから見たヒンメルパーティの在り様だけでなく、ハイターから見たヒンメルも描かれているね
これまでの回想ではフリーレンと誰かという構図で行われていたけど、現在進行系の話として描くからこそフリーレンが絡まない形の遣り取りも描かれるようになるわけだ

その中で意外な発見として見えるのはハイターが結構ネガティブだった点か
ハイターって老境に入ってからの泰然とした態度が印象深いものだから、若かりし頃の彼の印象は薄かったりする。けど、この頃の彼は年相応に悲観的になる事も有ったようで
というか、ヒンメルが前向きすぎるだけか。それもあってヒンメルとハイターは良い組み合わせとして機能しているのだろうね


どこかのんびりした帰還の魔法探し、ヒンメル達と再会する、フェルン達との旅を尊いものだと再認識する
それ以外の意味があるとすると何だろうと疑問に思いながら読み進めていたのだけど、116話からとんでもない展開が始まりそうな
魔王軍の実力者が揃い踏みし、未来からやってきたフリーレンを狙い撃ちするなんて

それもこれも全ては「全知のシュラハト」が想定した通りに事態が推移しているという事なのだろうか?
シュラハトって千年後の未来まで見通すという触れ込みなのに、彼自身は南の勇者に討たれているし魔王は滅ぼされている。
彼は一体何を考えていたのか、それが全く判らなかったのだけど、もしかしてこのフリーレンが過去に戻ってくる一瞬に全てを懸けていたのか?でもそれってタイムパラドックスが起きてしまうんじゃ……?

恐らく準備万端でやってきただろう大魔族の実力者、その計略を逃れる事は難しい筈。けど、流石にヒンメルならグラオザームの攻撃を難なく抜けられそうな気もするが…