タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない2 感想

あの『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』を別視点で描く本コミカライズ、咲太が謎めく翔子に振り回された本作と違い、翔子の視点で彼女が何を考えていたかを芯に掲げ描いているから、原作を読んだ時の感情を思い起こしつつもまた別の感情を抱けるようになっているね


原作では咲太が自身の命と翔子の命を天秤に乗せ比べる事になったけど、同様の問答を翔子自身も行っていたのだと理央との会話を経て描写される展開はキツイものが有る……

現実的に咲太の心臓で生きている翔子にとって、別の時間の流れに在る世界の咲太であっても、俯き悩んでいるのならば救ってあげたい
でも、咲太が事故に遭わない未来を作るという事は、その時間軸において翔子は救われない。すると咲太には新たな苦悩が生まれてしまう
心臓を共有しているからこそ、どちらかしか選べない。でも、咲太と再び関わらないなら選ぶ必要も無い。なら翔子が自身を犠牲にする必然性もない

…の筈だったのになぁ……
再び交差してしまった咲太と翔子。そして咲太はかつてよりも酷い形で自身を責めている。そんな彼を前にすれば、本編にて咲太が病室の翔子を見て選択を決めたように翔子だって迷う理由はなくなる
本当に2人はどこまでも似通っている

だからか、あの中身が空っぽになるまで号泣した咲太に満たしてやるべき言葉も判る。それは未来にて花楓の心を聞いたからだというのがこれまた本シリーズの裏側を見ているようで感動的

…という流れが有った直後に修羅場が発生する様子には大笑してしまったよ。ああまで嫉妬心を明確にする麻衣も珍しいし、テンパリ具合がマックスになっている咲太も珍しい(笑)

シリアスな未来を隠してまるでラブコメのように交流するそれぞれの姿にはのほほんとして気持ちになってしまう
でも、翔子がタイムリミットであるクリスマスイブを意識して生活しているのと同じく、どうしたって咲太が真実に近付くのを避けられない
結婚式見学で露わになってしまうのは小さな翔子と大きな翔子の関係性。それが知られる事は2人が持つ天秤が傾き始めた合図のようなもの
遂に交わされたクリスマスイブの約束。大切な人の命を守る為に命を振り絞る翔子と咲太の様子には本当に様々な感情が沸き起こってきますよ……