タカツテムの徒然雑記

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神さまがまちガえる(3) 感想

紺の出自が明らかになり彼が人間であると定義されたなら、次に待っているのは現実的な彼の処遇か
例外事象課でいつまでも特別扱いにしているのも可怪しい話。彼が未成年として扱われる様には人の温かさを感じてしまうね

だからといって、何も考えず彼の処遇を決めるなんて出来なくて。家庭訪問どころか裁判のように物々しい雰囲気は無から生じた少年の難しい立場を感じさせたよ
それでも咲間を始めとして大人達は紺に自分の人生について考える時間を懸命に用意した。その点はやはり彼が大人達に温かく守られた子供だとも感じられたね

大人ではなく同年代ではテオがいい感じの友人に成りつつ有るね
紺が普通とは何か違うと察しつつも、過度に踏み込まずむしろ紺に「話しても良い」と雰囲気を用意したのは良い関係だね
その言葉が有ったから、変に思われたら嫌だなと感じていただろう紺も彼に秘密の一部を打ち明けられたのだろうし


12話、頭の上に数字が見えるようになるなんて色々な作品で色々な設定が行われている代物だけど、今作のそれは良い意味で下らないなぁ(笑)
そんな描写の中で何かを見出そうとするなら、少しずつ穂野の事を紺が意識し始めたのではないかと感じられる点かな
多分、穂野は作中で指摘された通り何も考えてないんだろうけど、多感な少年は必要以上を考えてしまうもの
このお揃いの運命の影響が紺に何を齎していくのか興味深いね


かさねの過去が描かれる16話、なのだけど既に小学生の時点である程度の達観をしている少女だったようで
定期的にバグる世界で自分だけは何の影響も受けない。それどころか観測者として事実をただの事実として受け止めている

静止した世界の中で自分だけ世界が止まっていると認識できている。普通の人間であればその寂しさに押し潰されてしまいそうなのに変わらぬ表情でうろちょろとしている。何故なら彼女は観測者だから

そんなかさねにとって一番判らないのにバクではなくむしろ自分自身だったのだろうな…
バグの正体が判らないのは皆が納得しているからまだ良い。けど自分の正体は誰も納得してくれないし、自身を観測する事も出来ない
なら、静止した世界を歩き彷徨っていたのは自分自身を少しでも理解し世界に受け容れられているのではないかと根拠を探したかった為なのかもしれないね

まあ、普通に非日常感を楽しんでいた面もあるのだろうけど

それでもかさねは感情を読み取り易い紺を通して他人への理解を進められた。それはかさねが少しだけ世界に受け容れられた一歩だったと言えるのかもしれないね