タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

勇気あるものより散れ 4 感想

三千歳については、先に心が壊れたという話を聞いていた為に正気を保っていた頃の彼女の様相には少し意外性を覚えてしまったな
「弱い人」という印象が先行していた。けど、家長として子供達を精一杯に守ろうとしていた人だったようで

でも三千歳に出来るのは子供を産む事だけ。しかも死産が多いし産後は生と死を彷徨う程の憔悴を見せる
そんな人が変わらずに皆を守って遣れる筈がないと一目で判るのに隗は三千歳を「強いお方」と評するんだねぇ…
その言葉を聞き、また三千歳のうわ言を聞いたシノが家族と全く異なる道を選ぶのはある意味必然だったのかもね

話を聞いた煙花がそれでも自分の進み方を変えられないというのは事態の難しさを感じさせるね
三千歳が胸に悲しみを秘していたのは事実。しかし、彼女の必死の苦行により化野民が守られているのも事実
誰しも母を想っての決断だから邪魔だてできない、道は分かたれたままになるという事か……


深刻さを増す事態に釣られて時の重要人物が集まってくるのは納得だけど、ここに来て話に参戦するのがあの斎藤一ですか
また、ここに山之内も混ざる事でかつて刃を交えた者達が協力して事に当たる体制が形作られたね
その象徴と言えるのがあの静かな宴会か

山之内が筆頭となるけど、それぞれが遺恨と成り得るかもしれないもやもやを積極的に口から出して蟠りを無くしていく様子は良いね
特にシノを除いた3人において会津戦争は幾ら悔やんでも悔やみきれない程の遺恨があるのだろうから

山之内が春安の妹の最期に立ち会っていたというのは驚かされたな…
今の春安を形成する忘れられぬ喪失。それが山之内にとって士道を形成しているなんてね…

幕末の動乱がまだ残っているようでいて、それでも新しい時代へ向かいつつ有る時代。その複雑さをこれでもかと味わえる作品だね