タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

ココロのプログラム 3 感想

うあ、あの流れから愛と九は交際開始したのか、ちょい驚き
愛はそれまでのイメージの積み重ねにより準備はできていた。でも不意の告白に九の側は準備なんて出来ていなかった筈で
応えたのはどうにも気を遣った感じがしないでもないが、それでも笑う愛を見て頬を染める九の様子を見れば彼の方だって満更でもない、後悔していないと感じられる

そうなってくると微妙な立場になってくるのがいちこか…
眼の前で順調に九と愛は交際を重ねていく。それはいちこにとって手の届かない光景。自分の中に広がる感情を自覚しながらもそれに名前をつけないのは報われない感情の不毛さを理解しているからか

兎にも角にも九と愛は触れ合いの度合いを深め、九といちこは変わらずに家族
そうこうする内に季節が巡って九の方がいちこより背が高くなっていたというのは印象深いシーンだったな…
初めて会った頃は身長差が有りすぎて、姉と弟に見られればまだ良い方で不釣り合いという印象すら有った
けど、背が伸びないいちこは変わらずの背丈で、背が伸びる九は成長していちこを追い越して
目に見え辛い変化は二人を釣り合う二人にしていた

二人がこの数年で手にした変化を眼前に示せば九が揺らぐのは当然の話で
仲が深まってから生じた記憶の一時リセット、それは九にいちこの喪失を痛い程に突き付けるもの。九に本当の想いの行き先を自覚させずには居られない
同様に、目には見えない事になっていた感情の変化を見せられれば愛だって何も思わずに居られるわけがなくて…

九と愛の交際は拙いものであっても若々しさに満ちていた。だから擦れ違いが有る事自体は珍しくないのだけど、愛は恋愛面で九より成熟していたから独占的な想いも抱かずに居られなかったのかな…
告白したのは愛、別れようと言ったのも愛。結局、九が愛に求めていたのはお隣さんの距離のままだったんだろうなぁ。だから最後の我が儘にも応えられなかった
まるで愛の独り相撲のような交際……


高校生になって子供時代の延長線でしか無かった時代は終わった。そうして辿り着いたのは本作の始まりにて描かれた光景
これはスタート地点であり、同時にクライマックスの入り口と解釈できるのかな?
 
誰も彼も想いは自覚しているが、報われないから進めない。それでも好きな人に好きになって貰う為にはあの日の愛のように踏み出す必要があって
果たして九といちこ、どちらが先に報われない想いを報われるものに出来るのかな?