タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

魔王のあとつぎ 感想

前身の作品だという『賢者の孫』については全くの未読。というか後書きを見るまでそういった繋がり有る作品だと知らなかったレベル。
だから本作については完全に新鮮な気持ちで読んだかな?


前提となる作品で親世代の活躍が描かれた為か、本作は近年のライトノベルにしてはちょっと珍しい雰囲気をしているような
個人的な印象だけど、ライトノベルの主人公というのは持って生まれた環境に反発している傾向が多い気がしたり。反発していなかったとしても、一人の人間として自己表現する環境を何かしらの形で手に入れている。そんな認識を持っていたり

その認識に反してシャルロットを始めとして、英雄達の子女は親から受け継いだ環境や才能を真っ当に受け入れているね
それは見方を変えれば血統主義と言われかねないもの。当事者達も己の環境に関して特権と明言しているし
その意味で彼女らは最初から親の影響により特別な存在となっている。もちろん修行等の面で努力はしているのだろうけれど、自己の環境に反発していないという点では近年のライトノベルにおいて希有な存在に思えた。
言ってしまえばお利口なライトノベルという印象


そうしたお利口さを土台に持っている為か、作品の雰囲気は『ハリーポッター』から大悪等の諸問題を取り除いたような感じ
親から受け継いだ環境により高校入学時点で才能ある魔法使いとして君臨するシャルロット。彼女が立ち向かうのは一般的な高等学校の生活。だから級友との些細な対立があったとしても、それは一般的なクラスメイトとの交流によって解決される、つまり大問題として扱われない。その辺りは本当にお利口な生徒という印象を受ける。

シャルロットは他のクラスメイトに対して大きな優位性を持っている。それは環境の意味でも才能の意味でも
ならそのまま才能一つでやっていけるという事になってしまうが、ストッパーは早くも登場したね
学校内での敗北を知らない彼女に対して完膚なきまでの敗北と教訓を与える目上の存在。思い上がりかけていた彼女にとって、この敗北は更なる成長の余地を手に入れる機会となったようで
まあ、この敗北というのも親の環境に関連したものであるという点は何とも言えないものがあるけど

今巻はプロローグ的なものに終止した感じかな
とりあえずは交易に来た使節団が国に何を齎すのかという点が次巻においては焦点になりそうだけど


話の本筋には関係ないんだけど、女性陣の制服がかなり際どくない……?
ワンピース型のミニスカートなのに前面にスリットが入っているとかどういう構造なの…。ていうか下着、身に付けられなくない…?
あまりに危うすぎてヴィアが苛めっ子を挑発する場面は「そういうシーン」にしか見えなかったんですが……