タカツテムの徒然雑記

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双子まとめて『カノジョ』にしない? 感想

一卵性の双子だと好みのタイプが似ると言うけれど、それで同じ人物と同時に付き合う話までよく聞く訳ではないのは、やはり常識的にそれを二股としか言い様がないからで

咲人の前に現れたのは光莉と千影の双子姉妹。咲人としても別に二人と同時に付き合いたい訳ではなかっただけに、運命の悪戯によって引き寄せられた三人が先述した点を踏まえつつも三人で恋人になる工程が丁寧に描かれていたように感じられたよ

印象的だったのは咲人は当初、宇佐美千影が双子であると知らなかった点かな
学校で出逢った真面目で努力家な千影、ゲームセンターで出逢った一緒に居て楽しい光莉。双子だけど異なる要素を持つ二人と別の場所で出逢い、それぞれを好きになった咲人だから相手が双子と知ってもそれぞれへの好きを崩さない

一方の千影と光莉だって、どちらか一人だけと付き合うなんて状況は許容できない
常識的には許されない二股交際。これに対する光莉の弁論はすらすら展開されるから反対していた筈の咲人も次第に翻意させられる
誠実さと秘密厳守に拠って成立する禁断の関係。けれど、当の三人は禁断さを意識するよりも三人で一緒にいる事を自分達で認められた嬉しさの方が大きそうだったのは、やはり好き合う同士だったのだと感じられたよ


そうして付き合う中で見えてくるのは三人それぞれの魅力かな
ここでヒロインである光莉と千影の魅力が深掘りされるのはまあ、こういうライトノベルであれば当たり前と言えるのだろうけど、同時に咲人の魅力も深掘りされていく構成は特徴的と言えるかもしれない

成績としては光莉も千影もトップクラス。なら付き合う咲人もそれに見合うだけの人間である方が釣り合いが取れていると言える
だというのに本人はモブを自称し目立たないようにしている。その理由は何なのか?

その答えが明かされた辺りの展開には色々と思う処は有るのだけど、それと同時に『普通』を一旦目指してから『ヒーロー』を志した人間だからこそ、光莉と千影の望みを叶える形で双子をまとめてカノジョに出来たのだろうと思えたよ
そして、あのような経験をした咲人だから双子をまとめてカノジョにしてしまってもこれから二人を守っていける人間に成れるのだろうとも思えるね