タカツテムの徒然雑記

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葬送のフリーレン (13) 感想

ヒンメルならグラオザームの完璧な幻覚だろうと抜け出せるとは思っていたけど、抜け出さないままに反撃するとは思わなかった…。もうあんなのズルじゃん…

ただ、グラオザームの側も何かしらの奥の手がまだ存在していたのかな?それを使わなかったのはそれが必要な程に追い込まれていたわけではないから?
この時代に戻ってきたフリーレンを始末するのが元々の計画だった筈。でなければ未来にて魔王が討たれてしまうから
だというのに、フリーレンが未来に戻ったからってあのようにあっさり引き下がったのは気になるな。グラオザーム達はこの戦いで何を得たのだろう?


119話からは普段通りの短編的エピソードが続いたね
印象深い描写としてはヒンメルの像がこれまでの像とは全く異なる造形をしていた点か。フランメなんて性別すら変わっていたし

英雄として祭り上げ過ぎてしまったが為に本来の姿から掛け離れてしまった。それは感謝よりも信仰が主となってしまった事で起きる現象と言えるのかもしれない
ヒンメルへの感謝がないわけじゃない。でも、彼の偉業を伝える事ばかりに重きを置くとあの様になってしまうのかな?

100年程前の姿を残そうとしたヒンメルですらああなのだから、更に昔の時代ならどうなってしまうのやら
長い時を経た存在を度々扱う本作だけに、あの描写は色々と思う処があったね

あと、小さなエピソードではシュタルクの誕生日を祝う話は温かい気持ちに成れるものだったね
以前はどうやって祝うか祝われるかと挙動不審になる事も有った2人だけど、流石に年季が入ってきたのか割合スムーズにお祝いしているね
だからフェルンがシュタルクに渡すプレゼントは彼をよく見ているから渡したいと思う物になって
ボロボロになるまで使い古した革手袋、そこに頑張りの証を見るからこそ、また頑張れるように新しい物を渡したい
フェルンの静かな愛情を感じられたよ


124話と125話はこれまでとはかなり毛色の違うエピソードに。というより、これは126話から始まる長編の前フリか

旅人が立ち寄る事が少なくなり寂れつつ有る何処にでもある村。そこに異変を見るなんて本来は有りえない
そんな村に潜んでいたのが『影なる戦士』か…。任務の詳細も知らされず普通の村人に擬態して暗殺を続ける
そのような背景を知っても、ラダールがシュタルクを一瞬で倒せる程に強かった点には驚かされる。おまけにシュタルクさえ突破されれば魔法使いであるフリーレンは為す術が無いのだから『影なる戦士』という存在の厄介さを思い知らされたよ
同時にそのような存在を世に放つ帝国への警戒度も上がった印象

だから直後から始まる帝国を相手取った新たなエピソードも緊張感が途切れぬまま
唯一の癒やし要素はユーベルとラントが再登場した点か
ユーベルってばラントの事好きすぎじゃん…。てか、新しい衣装も良いね

さておき、話の筋としてはどうやらゼーリエの暗殺疑惑が持ち上がっているようで
作中最強キャラではないかと思われるゼーリエを殺せる人物なんて居るとか想像できないし、また彼女を殺す事でどのような得があるのかという疑問も湧く

それでも魔導特務隊や『影なる戦士』が魔法使いにとって脅威と感じられるのは否定しようがなく
これから描かれるのは魔物ではなく人間の恐ろしさを感じる物語であるのだと判る序幕だったよ