タカツテムの徒然雑記

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逃げ上手の若君 第十一回感想

第十一回死にたがりと逃げ上手

これまで本作は時行の逃げ上手を戦の時代において、どう活かすかという点を主題にしていたような
だとすると、今回の救援は逃げ上手を他者へ広める一歩目かな
この時代の武士らしく喜び勇んで死に向かう保科達に、生きる喜びを知る時行はどう逃げの良さを伝えるのかな

まず国司の横暴とそれに晒される無辜の人々の対立が描かれる事で一部を除き命の尊さを理解していると定義しているね
生きる為には稲が必要でそれが余計に取られるなら命懸けで抗議せざるを得ず、そのような者達を容易に斬るを快く思わない者も居る
頼重の救援も同じ路線の発想。だからこそ狐次郎も自身の双肩に命が懸かっていると感じる

対して保科達はキマりきっているね…
命をどう救うかよりも命をどう使い潰すかを考えている。それはナレーションが言うように恐ろしく自分勝手で挟視野的。命の尊さを知り為政者としての視点も持つ時行が許せないのは当然
ただ、視点が違い過ぎるが為に二人が会話だけで判り合うのは難しい

名誉の為に死ぬべきか、戦う為に生きるべきか
折角生き残れてもどう死ぬかばかり考えるなんて、命の使い方として間違っている。そんな相手の言い分を負かすにはそれこそ相手より自分が強いと示すしかない。
一族や故郷が皆殺しされても名誉など感じられなかった時行の強さが保科を打ち負かしたわけだ

保科の死にたがりに対しては時行の逃げが上回った
けれど次の相手は何としてもこちらを全滅させようとする殺したがりの清原信濃
この戦こそ、いずれ尊氏と対峙し鎌倉を取り戻そうとする時行の真価が発揮されそうな
また、逃げる時行と戦う狐次郎の関係をスケールアップさせるものにも成りそうな予感