第三話とおかんや
謎の言葉を呟くばかりで何を思うか不明瞭な案山子の在り様が友人帳と繋がってくるとは思わなかったな
必要とされない案山子なんて誰が気にするでもない。でも存在として成立してしまったら、居着く場所を求めてしまうもの
そこが元々別の誰かの居場所なら競ってでも手にしようという話になるのかな⋯
案山子はまともに喋らないから彼らがどのような存在であったかは推測するしか無い
それだけに知らぬ内に繋がってしまったという考え方に着目してしまう。これは友人帳にも言える事
元々はレイコが妖と競う中で出来てしまった繋がりが因縁のように今の夏目へと至っている。でも、夏目はレイコの思惑を知る事は出来やしない
夏目は友人帳を通して妖達と時には衝突したりお願いを聞いたりと関わり続けている。それは押し付けられた呪いのような役目だろうけど、友人帳を持つ事で彼は知れなかった想いの数々との繋がりを紡げた
その意味ではあの屋敷の主人も怖い夢を見続ける事で案山子の想いに触れ、彼らが何を求めているかを知ったのかもしれない
それは呪いであっても繋がりである証拠
だから最後には追い返した案山子の解放を願ってしまったのかな⋯
なら呪いのように突然出来てしまった繋がりであっても、それが繋がりであるならば、相手の想いを汲み取りたくなるもの
夏目にとって良い事もあれば悪い事もある。それでも関わるしか無い。そこへ夏目と様々な繋がりを紡いできた名取が解放を誓うというのは良いラストに思えたよ