タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

あの乙女ゲーは俺たちに厳しい世界です 1 感想

男女のパワーバランスがおかしな事になっているモブせかのスピンオフ作品
本編とは設定を異にする為に別ストーリーが展開されるというわけではなく、リオンとマリエの出会いを早い段階に持ってくる事でマリエのハーレムルートが崩れていく感じか


このスピンオフを読んで改めて感じるのはリオンの前世である男性の死に方の酷さとそれによって妹さんが受けたであろう衝撃の強さかな
本編だとしょうもない話として処理されていた面もある二人の前世だけど、スピンオフでは序盤に二人の過去を本編よりもしっかりと描く事であの別離がマリエにとって悲劇として記憶されていたのだと判るようになっているね

自分が押し付けたゲームが原因となって兄が死んだ。その余波で自分の人生も転がり落ちていった
それを思えば、マリエの前世の女性が兄の死を酷く悔いているという点も判るというもの

だからユリウス接触直前に兄の面影が有るリオンと出会ってしまった事で動揺し、それがマリエのハーレムルートを邪魔してしまうというわけか

ただ、この出会いはリオンの望んだ平穏無事な生き方すら邪魔するものになっているね
リオンはルクシオンというチートアイテムを手にしつつも安寧を求めていた。その為に堅実に学園で良い感じのお嬢さんとの出会いも狙っていた
けど、マリエと関わりだした為に周囲からは恋仲と思われてしまうし、マリエに掛かりっきりになる事で自分自身のイベントも逃してしまっている

リオンはマリエの邪魔をして、マリエはリオンの邪魔をして…
けど前世からの繋がりであまりにも息が合っている二人はその状態に文句は言いつつも不満ではなさそうである点は面白いね
勿論、当初はイケメン王子達とくっつく事を画策していたマリエはリオンの存在を邪魔に思っていたようだけど、空賊から助けられてからはスッキリした感じになっている辺り、やっぱりお兄ちゃんっ子だったんだろうなぁ


スピンオフという事で気になってくるのは本編でリオンと強い絆を築いたオリヴィアやアンジェリカの行く末、そしてこちらではまだ馬鹿を露呈していないユリウス達の扱いかな

特にオリヴィアの様子は心配になってしまうかも
本編ではユリウス達との出会いをマリエに掻っ攫われた事で孤立していたけど、それが逆にリオンとの繋がりを生んだ
けどこちらではユリウス達の好感度を稼げては居たものの、学年別パーティーという一大イベントがリオンとマリエの茶々によって中途半端な形に終わってしまっている
本編は極端な形だったとしても、あれって本来はオリヴィアがユリウスの庇護下に入る決定的なイベントだったんだろうなぁ……

また、こちらではアンジェリカとも対立構造を作ってしまっているし、オリヴィアが完全に孤立してしまっているのは心配な所


リオンはマリエの手を取って彼女だけに構い続けている。それは前世で不幸にしてしまった妹を助け直すような行為
でもそれによって本編では助けられていた少女が見捨てられてしまった。この差は今後どうなっていくのだろうね?