タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

ボールパークでつかまえて!(15) 感想

運命の大一番が描かれた15巻、勿論メインはモーターサンズとスティクスの対戦なんだけど、他にも小さな大一番が幾つも描かれていて二重三重に美味しい巻となっていたね

一軍が直面した大一番と比べると控えめな大一番である新堀の一日プロ選手。捕球以外は酷いものだったかもしれないけれど、「楽しい」と感じられたなら彼の野球人生が報われた瞬間と言えるのかもしれないね

それだけにそんな彼の姿をあの椿が生の姿で見ていたのは本当に驚かされたのだけど、プロを諦めた先で諦めずに夢を掴んだ新堀の姿に思う処でも有ったんだろうか…
また、寮母の牧村が彼とサン四郎の繋がりに気付いてしまった点は彼を再び表舞台に引き出すきっかけとなるのだろうか?


遂に始まる3度目の大一番は観客を驚かせるラインナップから始まるね
ただ、個人的には各選手の名前を読み上げる際に関係者や観客の顔が移されるシーンがなんとなく好きだったり
小座も佐倉もそうした関係者や観客の声を受けて球場に立っている。だからか、彼らの投球も全身全霊を込めたものになるね
そうした熱量を持って戦うから、後に続く三井もバッティングや守備で魅せる選手達も球場に渦巻く熱量に応えられるだけのプレイを披露してくれる

そうした姿を見れば心に火が灯るのは当たり前だろうけど、まさかその対象が君ヶ浜になるなんてね
野球から離れたかったのに何処へ行っても野球との関わりを捨てられない野球嫌い。接待という野球を純粋に楽しむとは異なる行為に身を浸し続けなければならない人生も余計に彼を野球嫌いにさせてしまう
そんな彼が小さな天才の奮闘に大声を出して興奮したシーンにはこちらまで心が温かくなってしまったよ

選手の熱量によって観客が熱を得て、その熱が選手へと返ってくる球場模様。そこで静かな注目を浴びたのがブライアンか…
13巻の頃から怪しげなフラグが立っていた彼だけど、あそこまで状況が悪化してたのかい……
自分の人生どころか夢すらも諦めざるを得ないかもしれない病状。無茶をしなければ自分の夢は続く、無茶をすれば球団の夢は続く
簡単に抜け出せない迷いを吹っ切れたのが子供の純粋な応援だなんてね…。子供の声を受けた直後の3コマにおける彼の表情の変遷、そして迷いの無いサムズアップには感動してしまったよ……

そしてそして追い込まれた9回ウラ、大一番の大一番で打席に入るのが一宮なんて大丈夫なのか…?と不安になってしまっただけに、彼を全力で信じる羽美の声援を受けて一宮が誰もが驚くホームランを放ったシーンには本当に驚かされ、改めて感動してしまいましたよ!
特にそのシーンに見開きで球場に集った全ての人物の願いが込められた表情が描かれるものだから尚更に良かったよね……

ただ、そこに辿り着くまでに本当に皆が頑張って無理もしていたからか、それとも単純に力及ばずか。CS最終ステージが悔しい結果となってしまったのは惜しい限り
でも、そうした悔しさが有るから来年への活力になるのだろうとも思えましたよ


新シーズンへ向けた様々が動き出す中でブライアンがスカウトとして球団に復帰してくれたシーンには喜びを覚えてしまったね
コジローもそうだけど、チームの軸として活躍していた選手が別の形で関わり続ける展開は良いね

そして新たにチームに加わったメイデンは一癖あるタイプだなぁ(笑)
イケメン弄りをされるのに本人は全然そう思ってないし、むしろオタク体質。チームに馴染むまでに色々と関門がありそうな彼だけど、プレイとしてはどのような貢献を見せてくれるのかな?

また、新シーズンという点ではいい加減に村田とルリ子の関係は進展しないものだろうか?と期待してしまう
今回は彼へのプレゼントを用意しながら渡せなかったけど、あれを渡せた時は観客とビール売り子の関係から進めるような気がするが…