第26話隊商
キャラバンがやってきて、皆が目を輝かせて買い物に勤しむ。その光景はどう見ても日常に華を添える楽しいイベント事なのだけど、そこに偶然を装った悪意を見出す猫猫の嗅覚は流石だね
また、猫猫が嗅ぎ付けていない方面では水晶宮もきな臭い
日常は何の問題もなく継続されている。しかし、後宮という特殊で閉鎖的な環境は前回の鈴麗に向けられた視線に代表されるように隠された悪意にこそ注意しなければならないわけだ
普通、隊商から買い付けた服の傾向なんて流行りを想像する程度に留めるもの。ここで猫猫の頭によぎるのは傾向に意図があるとすればという想像だね
憶測で確証の無い問題。大事には出来ないけれど、隊商に他の服について聞くくらいであれば罷り通る
相手が日常に潜む偶然にかこつけるなら、こちらも日常的な遣り方で回避すれば良い。翡翠宮に勤める猫猫の行動は賢さに満ちている
だからか、もう一つの流行りである香油にも手早く気付けたわけだ
一つ一つは毒ではないしそこに在る事に不思議は無い。けれど薬を多量に摂れば毒となり、子作りに神経を使う後宮で毒になる代物が多過ぎるのが問題となる話で
優しい人達を危険や悪意から守る為に猫猫は不確定な状況で考え続けなければならない
そんな調子の為か、無邪気に猫猫と同じ茉莉花茶を呑みたがった壬氏に気を遣って、その気遣いが通じなくて苛ついてしまったのかな。まあ、あれでムスッとする壬氏もどうかと思うけども(笑)