タカツテムの徒然雑記

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ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編10 感想

二年目の三学期に突入し更に苛烈さを増していくと想像される学校生活。けれど、それを前にしても綾小路は軽井沢との甘い一時を変わらず過ごしているね。
軽井沢としては不仲に成りかけた後で仲直り出来たわけだから甘々になるのも仕方ないけれど、綾小路はそんな彼女を前にしても平生の心境。その様は綾小路が軽井沢から得られるものが既に何も無いと示しているかのよう。
前巻にて綾小路への想いを示した少女達が幾人も居る点を考えると、軽井沢の立場がかなり脅かされていると感じてしまう

特に一之瀬の変身ぶりはなかなかのもの
以前は底なしの善意を身に纏っているような少女だったのに綾小路への好意やクラスの内情を知ってから彼女は全く以って変貌した。人の心を利用しつつ、綾小路とのとの距離を詰める。その上で自クラスを守る。一年目とは全く異なる一ノ瀬がここに居る。

彼女が綾小路との逢瀬をかなり慎重に行っているからこそ、その瞬間を第三者が目撃するとは思わなかったな。
その瞬間こそヒヤヒヤとさせるものだったけど、あっさり場を収めてみせた手腕からして彼女が全くの別人になった点が改めて見えてくる
今の一之瀬は確実に綾小路にとって魅力的な人物と言えるだろうね。この点からも軽井沢の立ち位置が悪くなっていると判る。


今回の主題となる特別試験。実質的に他クラスへ攻撃出来る点では一年目終盤の試験を思い出させるね。
つまりこれはクラス対抗試合。その意味を考えなければ攻略法も思いつかない類のもの
そういった観点から考えると堀北は堅実な策を取ったけど、それ以上では無かったと言えそうだ

今回の特別試験は他クラスへの攻撃が可能という意味を意識すると最も大切だったのはどう守るかではなく誰を落としたいかという点だったのかな
堀北は誰かを落とすという点を全く考えていなかった時点で劣っていると言えるし、坂柳とて後半戦から考えようとしていた時点で遅かった
龍園が最初から誰を落としたいかという点を明確にしていた事を考えれば彼がトップに立ったのは納得できる展開と言える。

もう一つ面白いのは一之瀬の動きかな
言い訳として堀北や軽井沢に説明したように、一之瀬の遣り方は誰か落とそうとするものではなく堀北クラスを利するもの。でも集中指名の相手に軽井沢を選び更に最初の2回に綾小路もセットだった点を思うと、どう勘違いして欲しかったか、そもそも勘違いされても良いと思っていた点が薄っすらと見えてくる
今回の試験で一之瀬は軽井沢を退学させなかった。けれど恐怖の種を植え付け、今後の軽井沢を揺るがせる布石とは出来たのかな


試験後には意外な展開が
坂柳が宣言通り、誰が消えても構わないというスタンスで神室を切ったのは意外ではなかった。だからこそ坂柳が自身の行動に揺らいだシーンには驚いてしまったな
失うと判った際にその大切さを認められなくて判断を間違い、失ってからその尊さに初めて気付いた。坂柳にとって今回の経験はクラスメイトが無感情に接せられる手足ではないと知る貴重な敗北となったのかな

この一件を通して坂柳クラスは幾つもの変貌を遂げるかも知れない点を思うと、坂柳相手にさえアシストした綾小路の底知れなさを改めて感じてしまったよ


そういや、割と普通の雑学を知らなくて脱落にリーチが掛かってしまった綾小路の姿には笑ってしまったな。あのまま脱落して最近持ち上げられ気味の綾小路の評価が一変したかもと考えると一之瀬は別の意味で凄い事を遣りかけたのかも(笑)