タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

薫る花は凛と咲く(11) 感想

まさか両校同時に修学旅行へ出発するとは。場所は別々だけど面白い偶然も有ったもの
まさかと言えばもう一つ、凛太郎って修学旅行へ行ったこと無いのか。高校に入る前の彼は色々と暗黒時代だったようだけど、こういう部分は彼の学生らしさが不足していると改めて感じてしまうね

だからこそ、翔平を始めとした友人達は凛太郎に最高の修学旅行を教えるべく準備を始めるわけだ。勿論そこには自分達も楽しみたいという想いは当然あるだろうけど
また、桔梗と同タイミングという事でグループラインを通じて一緒に旅行しているかのようになるのは良いなぁ
まだまだ大手を振って一緒に遊べるタイミングは限られているし、今回はそもそも一緒に居ないのだけど、こうして互いに写真やコメントを送り合っているとまるで一緒に旅行しているかのようでほっこりしてしまうね

でも、やっぱり一緒にいる時間も尊いもので
旅行が終わった次なるイベントは昴の誕生日祝いですか。そうなれば凛太郎が作ってくれたケーキに注目が集まってしまうけど、朔達にすれば意識が集中しているのは誕生日プレゼント選び。異性へのプレゼントって誕生日の場であっても緊張してしまうような気がするのだけど、その点は普通に友人相手に選ぶ感じになったのかな?まあ、朔は慣れないプレゼント渡しに別の緊張が有ったようだけど(笑)

でも、昴が静かながらにとても嬉しそうにプレゼントを受け取っている表情には胸が暖かくなるね


これまで存在はちらっと語られつつも登場する事はなかった凛太郎の兄、颯太郎が登場する81話からのエピソード
凛太郎の家族という事は全てを諦めた凛太郎を知っているという事で。また兄という立ち場から凛太郎を見守ってきた存在としてのイメージが湧いてしまうが、一方で彼とて夢を目指す中途の若人。だから彼を見守る両親の姿も登場して
複層的なエピソードと感じられたよ

というか、これまで登場しなかった理由って仕事がめっちゃ忙しかったからなのか。階段を寝やすいと言ってしまうまでに仕事しているのは流石にやりすぎだと思うのですよ……

そこまで自分を追い詰めているなら誰であれ心配してしまうもの。でも、弟である凛太郎では彼の悩みを聞き届けてやる事は出来ないから、代わりに颯太郎の前に立ってくれるのは父の圭一郎となるようで。同じく仕事人として、同じく無茶をしてしまう人間として
「好き」を仕事にしてしまった社会人一年生が懐く当然の悩み。けれど、それを当然のものだとか、悩むのは「好き」が薄いからだとか言ってしまったら心は折れてしまうわけで
先人として道を歩み続ける為の言葉を授けつつも、父親として颯太郎が弟にした最良の仕事を思い出させてやる展開は良かったな
きっと颯太郎にとって今の道へ進む分岐点であり夢の始まり。それをしっかりと持ち続け、そして最初のお客と言える凛太郎が今を明るく生きられているなら颯太郎がこれからを歩むには充分な動力となるのかもね


颯太郎の帰宅に拠って凛太郎の新たな一面が描かれたのは良いけれど、変わらず描かれないのは凛太郎が全てを諦めたきっかけ。正直、小学生頃の彼がどのようにして諦めの境地に至ったのかは未だに不明。だから気になってしまう

85話で登場した皐月はそれを直接的には描いてはくれないだろうけど、ヒントになる何かに繋がる人物となってくれるのだろうか…
と言うか、既に薫子と付き合っている段階で凛太郎に恋する元同級生を出す事は本作においてどのような意味を伴う現象になるの……?