タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

ウマ娘 シンデレラグレイ 14 感想

今回のジャパンカップにて何か尋常ならざる事態が起きるのだろうと史実を知らない私でも感じられる事前の雰囲気だったけど、想定以上の光景が繰り広げられたというか大波乱に次ぐ大波乱だったというか
オベイユアマスターが伏兵として勝利を収めた前回のレースに劣らない衝撃的なレースと感じられましたよ


レースは初っ端から意味不明な展開となってしまったね。シーフクローが前に出るのは予想通りの展開として、そこでイブビンティが競ってしまうのか
どちらも負けず嫌いというか自分が目立つレースを最上としている。だからこそ自分より前を走る者を許さない。そういった2人がレースを牽引すれば自然と全体が前へと引っ張られる。それがまず1つ目の波乱となったね

中距離とは思えないハイペース。レース展開を予想できない者は早々に脱落し、予想できる者は死力を振り絞って付いて行く。また、勝利を目指すならペースに合わせるだけでなく自分の戦略を打つ知略も求められる
その中でオグリは自然さを失わないね。前回のJCにおける悔しさ、マイルCSの体験、そしてタマモクロスとの約束。それらが悲鳴を上げたくなるレースでも彼女を気持ちよく走らせている

このJCで誰の活躍を最も見たかったのかといえば、それは主役であるオグリは勿論だけど、前回のJCにて誰の目をも欺いたオベイユアとなるわけで
だから123話のラストで彼女が本性を現したコマにはゾクゾク来てしまったよ
前回のJCでタマモと死闘を演じてみせた彼女。なら、タマモの意志を継ぐオグリは彼女にこそ勝たなくてはいけなくて
そうしてオグリとオベイユアの勝負にばかり意識を奪われていたから、今回のレースにおいて新たなジョーカーとなった彼女の存在を直前まで忘れていたよ


事前注目度は高くなく、オグリにも健康ランド師匠なんてあまりにもあまりな認識をされていたフォークイン。けれど鏡の前に居た彼女は正体が知れないからこそ単純な存在ではないとも感じさせていた
そんな彼女の自我は憧れの存在の敗北や後援者の大き過ぎる期待によって歪まされていたのか…

ウマ娘としてある程度の実力派身に付けつつ在る。でも己という存在を誇示するまでは届かない。そんな彼女に寄せられた憧れを超えろという重圧は彼女を苦しませるものとなったけど、それが逆にレース中のあの場面で反発力として作用したのか……?

全てを調べ尽くすオベイユアですら認識できず、彼女が先頭に居る理由を誰も説明できない新たなジョーカー
理解されない強者故に孤独に堕ちかけた彼女をここぞというシーンで追走するオグリの姿が本当に熱い!ここまでの破滅的なレース展開を唯一楽しんでいたオグリだからこそ見せられる皆に愛されるウマ娘としての姿
それは期待の苦しみに沈むフォークインにとって理想の姿。かといってここで己の理想に負ける事を良しとしなかったものこそ彼女が隠し持っていた本物の強さか…

他を寄せ付けない頂上レースへとのめり込んだフォークインとオグリ。もはや当人は自分達の優劣など判る筈もなく
それを前回の勝者であるオベイユアが悔しさと共に祝福するのがまた良いね…

誰にも『自分』を見て貰えなかった彼女が示した強者の証たるレコードタイム。その衝撃に心の震えが止まらないよ