タカツテムの徒然雑記

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神無き世界のカミサマ活動 (9) 感想

異世界で宗教活動する本作、遂に世界観の裏側が語られ始め、かなりSFチックになってきたね

ただ、それと同じくらい強烈だったのはスムマヌスによる現代的な漫画家生活だったのだけど。同人作家に週刊と月刊連載を同時にやらせるとか無茶過ぎて笑ってしまう
ミタマという何でも有りな存在が居るとは言え、少し前まで普通の村人でしか無かった者達を巻き込んで分業作画させるって無理が過ぎるだろうに(笑)

意外だったのはユキト全力指南の同人誌が全く売れなかった事か
そういや、最近は忘れがちだったけど初期のユキトは結構失敗続きだったっけ。今回の件は彼の才能の狭さを露呈させるもので

そこで更に意外な要素と成ったのはガイアによる手助けか。ユキトとは共同戦線を張っている状態だけど、彼の尻拭いまでするとは思わなんだ
何はともあれ、スムマヌスや多くの人の尽力、あと尊い犠牲(笑)によりユピテル人気はあっという間に高まったようで
ただ、このような展開で万事解決と行かない処が本作の難しい処か


スムマヌスの記録、そしてユピテルの回想によって語られる双子の悲惨に過ぎる過去
貧困や管理から解放される為の救世主として欲された道具のような存在。教団から抜けられても道具扱いは変わらず
そんな環境で二人がそれぞれ願ったものは似ているね
スムマヌスは妹を守りたい。ユピテルは姉を忘れたくない
地獄のような世界で双子はそれぞれ違った形で互いを想い合っている

だったらユピテルが暴走しているように見えようと、ユキトが双子の片割れを殺してしまう事が双子にとっての解決策になるわけがなくて
異なる視点からとはいえ、ユキトの過ちを止めたアルとシルの姉妹は良い判断をしたね。彼女らは最近ユキトが忘れそうになっている守るべき平和の象徴的存在に思えるよ

ただ、ユキトにはどこまで二人の言葉が届いたのかな……


この巻で最も驚愕させられた要素となったのはロキとミタマが繋がっていた点か
アルコーンなら誰が裏切っていても不思議ではない本作だけど、まさかミタマとロキが……
「この人物が裏切っている筈がない」のド真ん中にいるような存在が敵方と通じているだなんて予想外にも程があるよ!

そして、ユキト至上主義のミタマがロキに協力しているなら、ロキの目的はユキトがあの世界で生きていく点において何かしら関わりがあるのだろうか…?