タカツテムの徒然雑記

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薫る花は凛と咲く(12) 感想

皐月の話は大きく発展する事は無かったけど、これはこれで短編めいて良い話だったかな

中学の時は逃げ出したまま終わってしまった。だからこそ、友達の言葉を胸にして必死に走ったのだけど…
読者的には判りきっていた展開。けれど、あの場面で凛太郎に声は掛けられなかったとしても皐月は逃げ出したりしなかった
そして失恋した今でも前を向いて歩いていける心地で居る。それは彼女が恋によって手にした大きな経験となったのかもね


高校ニ年生のクリスマス時期という事で話題に上がってくるのは進路選択について
既に進路を決めている者も居ればまだ迷っている者も居る。そうした模様の違いが見えてくる中で絢斗だけが曖昧さを感じさせる返答という違和感
いや、言葉としてははっきりしているのだけど、そこにある想いが感じられないと云うか

そこで放置しないのが凛太郎達のグループなわけで
まるで拒絶しているかのような絢斗に対して、「内容を話せ」ではなく「話すつもりないってのは何でなんだ?」と聞いてやる翔平は本当に良い奴だよ…!

ただ、それでも絢斗は何処か誤魔化すような感じがあって。でも、絢斗があのように「自分で悩みたい」と言ったなら踏み込む事は難しいわけで
言葉とは裏腹な問題集を見てしまった凛太郎は悩ましい立場

親友の心に何処まで踏み込んで良いかなんて相談をする相手を選ぶのも難しい問題だけど、こういう時に薫子は良い指針になってくれるね。というか、かなり踏み込んでくれたな!
凛太郎は絢斗への踏み込み方に迷いがある。だからこそ、迷いなど無いように彼を抱きしめてくれた薫子の温もりは凛太郎に勇気を与えるものになるね

今巻では詳細が見えないままに終わってしまった絢斗の夢の話。過去形で語られる憧れの兄の姿は今の絢斗にどのような影響を与えたのだろうか?