卒業公演『リプリング』、さらさ達にとって紅華音楽学校で学んだものを示す集大成の舞台。それだけにいつから練習できるのかとか、誰がどの配役に就くのかという点に注目が集まってしまう
でも、それで過剰なドキドキが生じない辺り彼女らも成長して卒業公演に向き合う自分を育ててきたのだと思えるよ
ただ、『リプリング』指導の為にやってきた水野が滅茶苦茶濃いと云うか、無駄に力が入りすぎて空回りしている感バリバリな人だったんですけど……
アシタカ構文に始まり自分語り、紅華大嫌いからの超掌返し…。濃いよ、濃すぎるよ……
その一方で歌鷗と繋がりが有る点が背後で蠢く週刊誌のアレと妙な連鎖を起こしそうで怖い…
さておき、発表された配役は納得感が強いもの。彼女らのこれまでを作品を追う形で見守ってきたからこそ、これ以外は無いと思える
それでもさらさが「史上最強の当て馬」を引き当てたのは納得よりも驚きが勝るもの
彼女は同期からは一目置かれつつも、ダークホース的な立ち位置に終止するかと思っていたが
番外編を読む事でトゥールース伯爵が何故「史上最強の当て馬」と呼ばれるかは直感的に判る。が、一方で問題となるのはさらさの役柄は一番手ではないという点だろうね
人気キャラでは有りつつも、ラファエルを食ってはいけないし、薫はさらさの演技に食われるなど許されない
舞台上ではさらさと薫の一騎打ちが描かれる事になりそうな予感…
ただ、まずはさらさの髪を何とかする事が先決かなぁ(笑)
スピンオフではなく番外編な今回はさらさ達が演じる『リプリング』が描かれる特別仕様
これまでもさらさ達が演じる題目は作中でさらっと触れられては居たけれど、事前にこのような形で描かれる事で公演時にさらさ達はここで描かれたシーンをどのように演じるのかと楽しみに思えるね
内容としては18世紀のウィーンに転移してしまったデボラが当初は反発していたラファエルと協力して難曲『応急の窓』を大成させるという筋書き
普通に読むだけでも楽しめる本作、一度読んだ後は配役に示されていた人物達がこれらのキャラクターをどう解釈して演じるのかという点が気になってしまう作りになっているね
愛が演じるデボラはどのようにラファエルに愛を説くのか、親から向けられる感情に押し潰されそうなラファエルを薫がどう表現する
そして、何よりもさらさはトゥールース伯爵を演じる中で観客の心を掻っ攫う存在に成れるのか?
今から本番が楽しみですよ