タカツテムの徒然雑記

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であいもん (17) 感想

前巻にてちらっと有った佳乃子へのフリを受けてか、今巻は彼女をピックアップした話が目立ったね

元々は和を追って京都に居着いてしまっただけだった。
でも2年も京都で過ごしてお茶の資格も取った。彼女は何となく京都で過ごしているだけの人ではなくなった。だから佳乃子が京都で培った人脈や経験から頼りにされるのはもしかしたら当たり前の話で
前巻で和指名の仕事が描かれた事を考えると、続く形で佳乃子指名の仕事を描かれると何だか繋がりみたいなのを感じてしまうね

ただ、そこまで己の仕事を確立した自覚を持っていない佳乃子には重圧なわけで
けれど、そこで周囲の人の助けを借りつつも、己の遣り甲斐を手探りするように相手のオーダーに相応しいお茶を仕立てていく佳乃子の姿は既に職業人としての貫禄が見え始めていたよ
特に佳乃子を試すかのような質問を投げかけた恩田に対して信頼するに足る返答をした上で彼をファンにしてみせた佳乃子はいい仕事したね


続く83話は佳乃子の兄襲来と、彼女の境遇を思えば不穏さを感じずに居られないエピソード
不穏さを前にして華子を始めとしたそれぞれが勝手に動き始める様子はドタバタ感が有って良いね
まあ、不穏さを感じなくても佳乃子と和の関係を少しでも知っていれば胤臣の来訪が良い未来を予感させないのだから仕方ないけど

オチとしては非常にしょうもない(笑)ものだったけど、胤臣の言葉の端々に見える心配や和への印象を思うと今回のエピソードは一応佳乃子にとって兄の合格を勝ち取る話にもなったのかな?
胤臣としては中途半端な和との交際は反対だった。けれど、立派に働いている佳乃子を見て更に錦秋を食べて、彼の認識も少し変わったように思えたよ

後は佳乃子自身が和との関係をどうして行くかだけど、こちらはどうなるのかなぁ……


85話は登場人物構成が本作にしてはちょい珍しいタイプだった気がしてしまうが、その分だけ普段は見れない話を見れたね

学生時代からずっと続く変わらない関係。でもそれぞれの人生は幾らか変わって、会える機会も限られるようになって
でも、それが関係を変えるのではなく、それはそれで飯の種というかはしゃぐネタになるというのは羨ましい関係性
ていうか、一応はお淑やかに宴会していた流れからROUND1にてストレス発散大会になっている様はインパクトありましたよ(笑)

それはもしかしたら若年層から見ればぎょっとする姿かもしれなくて
でも女子校繋がりで一時を共にした3人組にとってはきっと指標になる姿で
あの3人には大人は楽しいのだと思える体験になったろうし、また友達関係を続けたいと思えるものになったのなら、良い出会い
加えて、富紀達があの日に集った事も意味があったのだと思えるものになった点には心が暖かくなってしまったよ

そうした人情を感じたラストで示された驚きの提案、アレは佳乃子を相当に焦らせるものになるような気がするけど、果たしてどうなるんだろうか……