タカツテムの徒然雑記

主にアニメや漫画・ライトノベルの感想を投稿するブログとなっています。

正しい勇者の作り方 感想

幾人もの勇者が存在していて、その勇者同士でデスゲームを行うとか凄いコンセプトの作品…


人類史上最高の勇者であるブルムですら魔王には敵わなかった。だからそのブルムを超越する新世代の勇者を造らなければ成らない。
だからって貴重な勇者を互いに潰し合うようにして新世代の勇者を選別するって本当に凄い話だな、これ……

一方でこの作品で論じられる新世代の勇者というのは一般的なイメージを持たれる勇者、つまりは全人類の救済を行うような勇者に対するアンチテーゼとなっているとも言えるんだよね
あらゆる犠牲を許容せず全てを救うのが一般的なイメージによる旧世代の勇者とするならば、犠牲を予め容認してただ魔王を殺す事にのみ特化した者を新世代の勇者と呼ぶのかもしれない

ただ、それによって犠牲にする対象が守るべき人類であるという点が勇者と云う存在の矛盾を嫌と言う程に体現しているね
この勇者ゲームで生み出されるのはむしろ新たな魔王ではないかとすら思えるよ。主人公イフの能力もあんなものだし


本作を読んで気になった部分としては、旧世代または一般的な勇者に対するアンチテーゼとして新世代の勇者が位置づけられているのは判るのだけど、その新世代の勇者に対するアンチテーゼと言えるシューラをこの巻で死なせてしまった点は気に掛かる…
狂っているとしか言い様がないデスゲームに対して疑問を呈する代表者が居なくなってしまったけど、今後は従順にゲームを行っていくのだろうか?それともイフなどがゲームの仕組みそのものを壊してしまうのだろうか?

あと、そもそもからしてある程度追い詰められていると思われる人類が貴重な戦力を選別試験として潰し合うのってどう考えても非効率に思えるけど、この勇者ゲームによって生み出される新世代の勇者とはどのような超常的な力を持つ者なのだろうね?