タカツテムの徒然雑記

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楽園ノイズ3 感想

本コミカライズはもう少し見守っていたかった気もするが、原作第1巻部分までか…


このコミカライズの美点を挙げるなら、やはり各キャラクターの表情になるのだろうね
原作だとどうしても手が届かない時もある表情表現、それをこのコミカライズは余す処なく描いてみせたように思うよ

特に17ページの真琴と朱音の表情差にはゾクゾク来てしまうね……
真琴は間違いなくこの楽園の中心人物で、そこに集う音楽少女達の居場所となっている。でも、当の本人は才能豊かな彼女らへの劣等感を抱かずに居られない
そうした感情をとても感じられるね

また、表情という点では凛子の表情もなかなか
凛子っていわば美沙緒の次に真琴の理解者となった人間なのだけど、彼の音楽活動を支えるという点では美沙緒よりも近い人間
だからか、凛子が真琴を見る際に時折浮かべている表情はとても良いんだよね
彼女は真琴以上に真琴の音楽が世に認められる事を喜んでいるのだと伝わってくる

だから本コミカライズで描かれたものを劣等感と喜びを軸に見ていった時に最終話が美しく輝いているように思えてしまう
真琴から始まったバンドなのにステージでは端に居ろなんてセッティング。本番も彼の全てを演出したと言うよりも下手を打たかなかった事に安堵するかのような感触
でも、ムサオを求めてあの場にやってきた者にそんなステージは物足りないわけで
彼を求めるコメントや声援の嵐、彼を導く凛子達の目線。そうしてステージに立った生の真琴が奏でる音楽は終幕を飾るに相応しいものだったよ